「珈琲と人生の物語②」#019 -四コマ&コラム
【前回の#018の振り返りを少し】
50代で脱サラし、地元岡山で珈琲豆専門店を開く予定のMさん(私の元上司)に、色々話を聴きたくなった私は、インタビューを決行しました。Mさんから語られたのは、幼い頃から、珈琲とシンクロした彼の人生。
ここまでのお話で、私が印象的だったのは、Mさんとお母さんと珈琲の思い出、ドラマ『優しい時間』の影響のお話です。
“人生の中に生き続けている、好きな物”があって、それを自分も追い求めているし、導かれている。Mさんにとっては、それが珈琲。
1.【Mさんの珈琲ヒストリー 第ニ話】
「ある時、友だちにブラック珈琲とチョコレート(甘味)の美味しさを教えてもらってな。それまでは砂糖とミルクを入れたものが珈琲だと思っとったけど、ブラックを知ってから“美味しい珈琲を飲みたい”と思うようになって」
美味しい珈琲=豆(焙煎)と繋がったMさん。
「それまで、珈琲の“酸味、苦味”という言葉は聞いたことがあったけど実際にはわからんかった。でも、岡山市内の焙煎豆専門店に行った時、店主に“これが酸味のある珈琲じゃ”と試飲させてもらって、“これが酸味か”と興味がわいてな」
「店主から“珈琲の酸味が出るのは浅煎りの豆。浅く煎ると豆本来の味が残る。それがフルーティな酸味と表現される”と教えてもらって、なるほどなーすげぇおもしろいなーと思って」
「それで、自分でも焙煎してみたくなって。珈琲教室に参加して、実際に生豆を煎ってみた。そうしたら、意外と簡単にできてな」
「コーヒーの世界への扉は、自分が思ってたほど、厚くないかもしれん。実際に扉を開けてみたら、登れそうな階段が見えた」
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その後、Mさんは新鮮な良い豆を探すようになりました。
さらに、珈琲豆に応じた煎り止め、豆の挽き方、ドリップの仕方を詳しく知りたいと思うようになり…
本格的に勉強をしに関東へ!
Mさんは、全国に120店舗を展開する珈琲焙煎のグループの一員となり、この秋、珈琲豆専門店をオープンします。
2.趣味を超えて、出店に至った経緯
私は、“珈琲との出逢いが→趣味を超えて→探究心に変化し→専門知識を得て→お店を出そうと思った経緯”を知りたくなりました。(対談形式でお伝えしますね。私→Y)
M…「コロナ前の話だけど、個人経営の喫茶店がつぶれて、珈琲はカフェやコンビニが主流になっとる現状があったじゃろ」
Y…「確かに、コンビニ珈琲は100円だし、カフェはゆっくりもできるし、テイクアウトもできる手軽さもありますよね」
M…「それに、家で美味しい珈琲が飲める機会が増えて、“家飲み珈琲”が好まれるようになったなという感じもあったんじゃ」
Y…「豆を買って自宅で挽くってステイタスになりますよね。私はドリップ珈琲を買っちゃうけど」
M…「珈琲を飲む環境が変わりつつあった時に、コロナ禍でそれが加速したと思う」
M…「その流れで、珈琲豆専門店が次々に立ち上がって、僕の中で“やるなら急がないと”と言う焦りが生まれてな。色々調べていたときに発見があったんじゃ。珈琲と(岡山県)津山が関係したったんじゃけど知っとる?」
M…「幕末、岡山県(津山藩)の宇田川榕菴(うだがわようあん)がオランダから来た“カーヒー”に「珈琲」という漢字を考案したことを知って」
Y…「そうなんですね!津山の人は昔から日常的に珈琲飲んでたかもしれないですよね。オシャレ!」
M…「それで地元の津山で店を出したい!と気持ちが高まったんじゃ」
※日本大百科全書には、「宇田川榕菴(1798〜1846)は、1816年にコーヒー産地、効用を説いた『哥非乙(こうひい)説』を書き…」とあります。
「珈琲豆の焙煎についてじゃけど、実は、デジタルの焙煎機もあって、それで煎ると失敗もせんし簡単じゃけん、それもええかな…と思ったこともあった。でも、コンピュータがしてくれるけん、僕の豆の知識は薄っぺらいものになる、それはお客さんに失礼かなと思って、豆のことをきちんと勉強したかったんじゃ」
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Mさんの珈琲と人生の物語。
私は珈琲のことを知らないけれど、「それでそれで?」とワクワクしながら話を聞きました。
私の父も50歳で脱サラし転職した(介護タクシーを始めた)のですが、思い出せば父が40代(私が高校生の頃)から資格を取ったり動いていました。密かに第2の人生をスタートさせる準備をしていたんですね。
3.私の気付き
日々の諸々のことに振り回されて、嫌なこともたっぷりあって、ふとした瞬間に焦燥感でドンヨリ…なのだけど、実は、好きなこと、やりたいことに向き合ってると、素敵な出逢いもたくさんあって、どんどん道が開ける!のかもしれない。
“思考のシフトチェンジ大切”と思えた今回のインタビューでした。
また機会があれば、珈琲豆と珈琲の豆知識の記事が書けたら良いなと思っています♫
素人の私がMさんに教えてもらってこれはおもしろい!と思った珈琲と豆のお話です。
お楽しみに!
4.おまけ
SDGsに貢献すべく、珈琲の出がらしは消臭剤にしています。
読んでくださりありがとうございます。
また次回お会いしましょう。
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