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「名前が呼べなくなるなんて考えられない」
明け方前の、5時半。
何年かぶりに、泣きながら起きた朝。
今年12歳を迎えた愛猫(あずき)が、寿命を迎えて死にそうになっている夢をみたのだ。
その子は、私が中学2年生の頃、母親が知り合いから譲り受けた子で。
生後2〜3か月で「ミーミー」と鳴いていた頃からずっと一緒に暮らしてきた、娘のような存在だ。
基本的には『娘』だが、私が大声を出したり年下の猫が激しいケンカをしたりした時、「大丈夫!?ケガしてない!?」といわんばかりに駆けつけて、ペロペロと毛繕いでなだめようとする、心優しい『母』のような存在でもある。
それ以前に、一緒に暮らした猫も懐いてくれてはいたが、初めて私のことを「一番好き」と行動で表してくれた、特別な子なのだ。
青いドームベッドの中で目を細め、細い体を横たわらせる愛猫。
その姿は、すぐそこにある『別れ』を意味していて。悲しくて、さびしくて。
細い目が閉じるたびに、私は愛猫の名前を叫ぶように呼んでいた。
心がギュッと締め付けられて、呼吸が苦しくて。
次の瞬間、私は…。
「あずきの名前が呼べなくなるなんて考えられない」
──そう叫んだ瞬間に、目が覚めた。
目覚めた後もなかなか涙を止めることができず、「どうしたの?」と起きた彼の胸の中で、そのまましばらく泣いた。
夢で本当によかった。
しかし、この夢は、何年後かに現実になるかもしれないこと。
そして、一緒に暮らしてきた私には、その瞬間を見届ける義務がある。
いつも通りスヤスヤと眠る愛猫の姿が、より一層かけがえのないものに思えた。
あとがき
いや…本当に………。
とんでもない夢を見た。
夢でたくさん泣いてたので、起きた瞬間から「うわああああん!」っていいながら涙がブワーっと出て、呼吸も乱れていましたw
さすがの彼も「何!?どうしたの!?大丈夫!?!??」と飛び起きる始末。
優しいので、ハグをしながら背中をさすってくれる彼。(惚気
「夢でよかった」と安心しつつ、彼の優しさに癒されてると、しばらくして、彼がポツリとつぶやいたのです。
「○○(私の名前)、さっきまで牛丼早食い競争で負けて、落ち込んでたのに……」
………
涙を流したまま爆笑した。
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