玉手箱が開いたような日 その2
ならまち商店街から東大寺を歩いた
玉手箱が閉じた翌朝、仕事に行こうと後部座席に鞄を置こうドアを開けたら、ピスタチオの薄皮が散らばっていた。昨日、奈良からの帰り道、運転している私にピスタチオを食べさせようと、後部座席に座っていたアフザルが、せっせとピスタチオの殻を割ってくれていたのだった。…その、残骸(笑)。
…………
パーキングに車を止めて、ならまち商店街を歩いた。お昼が近かったので何を食べたいか聞いたが、ハッキリ言わない。彼らはイスラム教徒なので、「ノンアルコール、ノンポークか?」と聞くと、「私はアルコールはたまに飲む」とイタズラっ子っぽくアフザルがニヤリと笑う。「神様が怒っているんじゃないのか?」というと「インシャッラー(神様の思し召しがありますように…というような意味)」と腹の底から声を出して叫んだ。私とビビさんは大笑いした。そしてしかし、2人は「ノンポーク」には深く頷いた。
最初はお好み焼きでもと思ったが、ノンポークはなかなか難しい。また、ラーメンも難しい。寿司も生なので難しそう。困ったな…。
そこで、ならまちに来たときには必ず寄るトルコの雑貨店に入った。トルコもイスラムの国なので、イスラム教徒が安心して食べられるレストランを知っているのではないかと思ったから。
私の勘は当たり、事情を話すと店主のお姉さんは、商店街の中にあるイスラムの人たちに評判のレストランまでわざわざ案内してくれた。シュックラン(ありがとう)!
そこでビーフとマトンのカレー、ナン、あとミーゴレン、そしてもちろんチャイを頼んだ。
その後、ならまちを散策し、鹿と戯れ…
雨に濡れながら、東大寺に行く。
境内にある小さなお店でみたらし団子を買って食べてみる。
2人とも奈良散策を楽しんでくれた。特にアフザルは、感動すると「シャバシャーッ!」と腹の底から褒め称えた。たぶん、「神様!スゴイです!ありがとう!」みたいな意味の言葉だと思う。特に、東大寺の中で柱の穴をくぐり抜けた子どもを見て感動して発した「シャバシャーッ!」は、寺の中に響きましたね(笑)
つづく