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【僕の音楽概念論 #2】歌詞がダサい? 視点をずらせ。キャラクターを変えずにオリジナリティをだす作詞術

どうも、YKNKです。

ラッパー達が出す音源、カッコいいですよね。

HIPHOPの世界で暮らすアーティスト達は、時にイリーガルで別世界に生きる物語の住人ともいえます。

表社会を生きる人達にはフィクションにも感じられるその「リアルさ」や「ドラマ」に惹かれる人も多いと思います。

僕もラッパーの端くれですが、そう言ったバックボーンや文脈が見え隠れするHIPHOPのシーンには心躍るものがあります。

そこで生まれるのが、僕もやってみようかなという憧れ、そして行動です。

流行ってるしね、ラップ。僕もそうして音楽を始めてここまで続けて来たし、恥ずかしがるものじゃないよ。大丈夫。

ところが、実際に歌詞を書けばプロのアーティストと比べるとダサいなーってことになったことはありませんか?

言葉選びやフロウのセンスとか評価に至るまでに構成される要素はたくさんあるけれども、今回は視点の話をしようかなと思います。

リリック書いたことなんてないよーって人も大丈夫!


では、本題。



作詞作業において、HIPHOPに限らず内容にはオリジナリティが求められます。

しかし、HIPHOPにはマイクリレーやREMIXなど同じビートに同じテーマを扱うことも多くある為、似たり寄ったりでは特別目立つことは難しい。

プロのラッパーにはそれまでの活動で文脈やキャラクターが認知された状態、そもそも存在がオリジナルになった状態で楽曲に向き合う為あまり意識することはないかもしれません。
しかし、下積みラッパーはまだリスナーに対して確立したキャラクターが認知されていない為やはり難しいです。

例えば、やる気のある素人を10人集めてマイクリレー楽曲をつくるとします。

テーマ「ラッパーとして自己紹介」

だとして、ありのままの自分で作詞に向き合うと

俺は名もなきラッパー、知名度も実力もまだまだだけど他の9人より上手いぜ。これから頑張るから応援よろしく!

的なバースが書き上がることが今までいろんな人を見て来た経験上多いです。

テーマに対して素直に向き合った結果ですね。

別に悪くない、ラップを構成する要素にリリックはあくまで一部だから。
でも良くはない。内容が被りやすいしリスナーが同じ立場になった時に同様の内容が出てくる、つまりオリジナリティがない。そこに自身のキャラクターを加えるにはどうしたら良いか?

一旦の回答としては、タイトルにもある通り「視点をずらす」ことをするのがオススメです。
つまりどう言うことかをこれから説明します。

今回の場合

1プレイヤーの目線でラッパーとして成り上がることに焦点を当てるのではなく、自身が持っている目標は他の人が思っているものとは違うことをアピールするとか、

はたまた、10人で争うマイクリレーというもの自体を客観的にみてくだらない争いだと揶揄するのも良し。

普遍的なテーマや自分に対して見方を変えることで新たな発見や自分を偽ることなくキャラクターの確立を目指すやり方です。

実際の楽曲で例を挙げて説明します。

Lets Play feat. X - kai - , 理炭カル , 黒eri , NKBO / YKNK

二年前に人気ゲーム「Apex Legends」をテーマに制作した楽曲になります。
良かったら聴いて下さい。

仮にあなたがこのApex Legendsや仮に特定のゲームについて歌詞を書く時、素直に向き合った時に視点と立ち位置はどのようになってるでしょうか?

ゲームをしているプレイヤー自身?
それとも上空から見渡すゲームマスター?
手に持たれた武器の視点?

どれも非常にいいですが、素直に向き合った時は違うでしょうよと。

想定解は、

モニターの前でゲーム画面を見つめるぽまいら

これです。

ちなみにSteam版『Apex Legends』同接プレイヤー数が過去最高51万1,676人だそうなので、同じ視点を持つ人が少なくとも51万人以上はいる話になってしまいます。


共通の経験をしているという点では共感性が高いと好評したくなる気持ちもありますが、そこにオリジナリティがないと言うことは理解いただけるかと思います。

そこで、先の視点をずらす発想でプレイヤーになりきったり、ゲームの部隊を俯瞰的にみたりと新たな発想を取り込んで歌詞として出力するのです。

Let's Playでは、ゲーム内で動き回るキャラクターの視点、プレデターと呼ばれる上位帯の立ち位置で作られてます。

ゲームをしてる自分をテーマにすると視聴者のイメージはモニターの前にいるラッパーにフォーカスされますが、ゲームの中にいる人物として描くことでコンテンツへの没入感を深めてるわけですね。

リリックを書く人は、ぜひ参考にしてもらって。

リスナーの方もそう言った「視点」という項目で好きな楽曲を紐解いていくと、より面白くなったり、好きな理由を言語化すること助けになるかもしれません。


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ではでは。

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