残念ながら日本ではまだまだ子育てはキャリアダウン
3年前に出産し1年前に職場復帰したが、やってることはただの事務作業である。妊娠前までは海外を飛び回っていたというのに、今は日々デスク前に座り事務作業の傍ら後輩指導をして各方面に謝るばかりの日々だ。
当時海外で一緒に働いていた男性の先輩が職場に来て、わあ久しぶり、いつ以来?と聞いてきた。○○以来ですーと言うと、うわあそんな前かあと言う。
私にとってはつい最近のことだったのだが。
私が3年間子育てしている間にその先輩は他の部署で大業を成し遂げていた。そりゃ3年前のことなんかその先輩にとっては大昔だ。「お子さん男の子だっけ?うちも野郎3人だよー尊敬してよ、奥さんを」と笑う。本当に奥さんを尊敬した。あなたいないとご主人子供いてそんな大業成し遂げられなかったですよ、と。
別の個人的に大嫌いな先輩が会社にいた時、挨拶したら「しょせん事務の人、終わった人とは話しません」オーラ全開で、その一方で海外駐在中の後輩とは楽しそうに話していた。その子の指導はかつて私がしたのだが。
海外でお世話になった別の事務仕事をするシンママ先輩とランチをしたら、その先輩の話が全くもって面白くなくなっていた。何故か子どもの話は投げかけても全てスルーされたので仕事の話を仕向けると、「私の仕事の話なんて面白くないから別の話しようよー」と言う。30分位で会話が詰まった。そんなことはこれまで一度もなかった。
ああ、時は流れてしまったのだなと痛感せざるを得なかった。
同期や周りの子持ち社員を見渡しても、第一線で働いていた人はどんなに優秀でも皆一線から退いている。日中保育園とシッターと夜間保育園を利用しながらなんとか第一線にしがみついている唯一の子とその子どもに会ったら、その子は4歳で言葉がかなり拙く、2時間くらいベビーカーの上でずっと静かにスマホでアンパンマンを観ていた。同業他社の女性と結婚した同期は、普段は祖父母の家に子どもを預けて週末だけ子どもに会う生活をしているという。
ハレーションがあるから実世界では決して口に、しない。決して言わない。でも。
違う。
どれも私が求めているものではない。
子どもを犠牲にしてまで働きたくないが、自分のキャリアを犠牲にしたくもない。終わった人として見られたくないし、私だって活躍したい。
女性の活躍って、SDGS同様大事なことなのに掛け声が空回っている言葉を一時期よく聞いたが、金を稼げば活躍なのではない。ただ賃金を稼ぐだけの労働者になりたいのではなく、己の達成感とかそういうのを感じてはじめて活躍だ。
なのにうちは3年連続で認可保育園に入れないし、きっとこの先学童も入れないだろうから民間学童を探してみたら月20万近くするし、保育園や学童にに預けられたところで時短勤務だから重要な仕事は任せられないし、そもそもこんな状態では重要な仕事をこなせない。
こんな国、子どもが少なくなって当たり前だ。
旦那がつい最近、「会社から昇進試験を受けろと言われている。昇進試験の準備のためには土日が潰れて子どもと遊ぶ時間がなくなるし、昇進したら出張ばかりで子育てが出来なくなる。昇進したところで給与は少ししか上がらない。だから試験は受けない。でもそうすると社内で居場所がなくなる」と悩みを打ち明けてくれた。なにその奥さん働いてない前提。男性を取り巻く環境がこんな状況で、子持ち女性なんかいわんやおやだ。日本の会社は本当にクソだ。
こう書くと、産む前にわかっていたことじゃないかという頭の悪い意見が聞こえてくる。死ぬ直前の人が死ぬのが怖いと言っているのに、人間の致死率は100%ってわかってたことじゃないかとか言うのか?そういう意見は問答無用で却下だ。そんなくだらない文言で議論を止めるんじゃない。つーかわかってたことだから出産リミットのギリギリアラフォーまで働き続けてガチで卵子凍結とか考えてファイナルリミットで産んでんだよこっちは!もはや腹の立つ方向が四方八方で、言葉通りの八方塞がりだ。
この先自分はどうしたいのか、どんなるのか。3年程考え続けているが答えは出ない。もうこれ以上はどんなに考えても名案なんか出ないだろう。自分が出来ることをした上で、風向きが変わるのを待つしかない。日本で暮らす日本人でいる以上、それしかない。日本人であることは国ガチャで当たりという。だが労働市場や子育て市場ガチャでは確実に外れだ。つーかガチャってなんだよ!今日も元気に多方面に腹を立てている。
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