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生きているうちに、書いておきたい

 若いころ、作家に憧れていました。文章を書くのが好きだったんです。
 でも私は作家になるどころか、小説で賞をもらったこともありませんし、出版歴もありません。
 写真のコンテストで一度だけ入選したことはあります。もちろん、それで写真家になれたわけでもないです。

 こんな私みたいな、なんでもないただの一般人が、どうしてブログを始めようと思ったのかを書いてみます。

以前にもブログを書いていた

 前回も書きましたように、仕事に慣れて余裕ができてから最初の子供が生まれるまでの数年間、ブログを書いていました。
 あの、人生のほんの一時期、毎日が本当に感動的なドラマだったんです。
 ずっと女の子にもてなかった自分が、あり得ないほどの幸運に恵まれて結婚できたこと。
 新婚旅行で行ったフランスのこと。驚きの連続だった結婚生活。二人で旅した伊豆の思い出。そして第一子の誕生。

 あのころは毎日がキラキラと輝いていて、たぶん勢いだけでブログを書いていたんだと思います。

 けれども、第一子誕生で私のブログは、まるで尻切れとんぼみたいに突然終わりました。最後の記事は「赤ちゃんがやってきた」だったのを、いまでも覚えています。
 そこからは、家族のために忙しく生きていく、充実してはいるけれども輝いてはいない、ただの一般人であることを受け入れる人生が始まったのでした。

病気という転機

 でもこのたび、自分ではまだ若いつもりだったのですが、病を得てしまいました。
 そして、ばくぜんとですが「死」を意識するようになったんです。
 まだ死ぬと決まったわけでは全然ないんですよ。
 でももしかしたら、思っていたよりもすごく早く、死んじゃうのかもしれない。

 いまの私はただの一般人ですが、それでも、生きているうちに、書いて残しておきたいことがたくさんあるんです。
 それで、いまのうちに書かなくちゃと思って、遅ればせながらまたブログに挑戦しようと思い立った次第です。
 病気になってからあわてて気づくなんて私もうかつですよね。「ぼーっと生きてんじゃねーよ!」ってハイデガーに叱られそう。
 でも命が秒読みになってから、あれも、これも書いておきたかったと後悔したくないのです。

 そんなわけですから、私の人生の残り時間を使って、残したいことを書いていくブログを始めます。
 できれば私の命があるうちに、書きたいことを残らず書いてしまいたいと思っています。
 その一方で、まだ命が終わらないのに書きたいことを全部書き終えて、ネタ切れになっちゃったらどうしよう、なんて余計な心配もしています(笑)

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