鮫島彩
鮫島彩が現役引退しました。
もう4ヶ月も前になりますが、同い年が引退するのは特別な感覚になります。寂しい気持ち、リスペクトする気持ち、いろんな気持ちが込み上げてきました。
同い年として代表チームで一緒にプレーした時間はやっぱり特別で、あの時間がどれだけ特別なものだったのかということを感じながらプレーしている今、当時のことを懐かしむ気持ちにもなりました。
もう二度と味わうことのできない感覚
私とサメちゃんは特別仲が良いといった関係性でもなく、オフシーズンの間に会って遊んだりなんていう間柄でもなく、でもピッチの上ではわりかし話す方で、ドライすぎずベタベタしすぎずといったくらいの距離感でした。
サッカーの話になると本当に真面目で(当たり前かw)、オフシーズンに一緒に自主トレキャンプをすることもありましたし、お互いに高め合うといったそういう「感覚」を共有できる仲間の1人でした。
引退を発表した直後(数週間後)、私はサメちゃんにLINEでこう伝えました。
代表時代、私は左サイドバックのサメちゃんからボールを受けるために、どのタイミングでどういう動き出しをして、どのエリアに顔を出せばサメちゃんがパスを出しやすいかっていうのを考えることが多くて、いろんなことを試しながら最適な形を作っていくという作業を繰り返していました。
サメちゃんは右利きだけど左足にボールを置いて左足でもボールを蹴れる選手だったので、ファーストタッチの置く場所によってその動きを変えたり、サメちゃんがボールを受ける位置によってポジショニングを変えたり、そんなことを必死でやっていた記憶があります。
サメちゃんは言うまでもなく「味方にとって予測可能な選手」の1人で、しっかりとパターンを持っていました。一緒に仕事をしていてやりがいのある選手で、内に秘める情熱的な性格が魅力的でした。
この誰かと何かを作り上げる感覚っていうのはそうそう味わえる感覚でないということが、一緒にプレーすることがなくなってからは強く感じるようになっていきました。そしてあれから8年が経ち、時間の経過と共にあの感覚はもう二度と味わえないものなんだという認識に変わっていきました。
鮫島彩の魅力
私が好きな鮫島彩のゴールを紹介します。それは、2014年の冬に行われたカナダでのカナダとの親善試合でのロスタイムでの勝ち越しゴール。なぜサメちゃんがこんなに高い位置にいたのか?!
(ピッチ上の監督)宮間あやキャプテンの指示で、サメちゃんが前線に配置されたからサメちゃんがこの位置にいたのですが、その采配が見事に的中。決めたサメちゃんも凄いですし、それを指示したあやもあっぱれ。
内股スプリントからのボール奪取で内股ドリブル。このゴールが本当に印象に残っていて、サメちゃん凄すぎ!って感動したのを覚えています。魅力的な動きをしますよね、本当に。
そして、その半年後に行われたカナダでのW杯でもゴールを決めたサメちゃん。
私の空振りを見事にカバーしてくれるところ、本当に頼りになります。
マリーゼ時代はFWで活躍していたのに、いつの間にかサイドバックやサイドハーフに転身していて、でもやっぱりFWをやっていたからかFW魂はまだ残っていて。
お互いに多くは語らないけど、どこかで繋がっている感じがあって、時々本気で指摘してくれたり無茶なことを止めてくれたり、しっかりいじってくれたり、それが私たちに87の絆というのをもたらしてくれていたように感じます。
鮫島彩という一サッカー選手のストーリーが幕を閉じてしまったのは寂しいけど、このストーリーは多くの人の心に残ったはずです。これを紡いでいくのも私たちの仕事。メディアが出来ることっていうのはまだまだあるはずなので、その一端を担っていければと思っています。
これからの私たちの関係値と感謝の気持ち
時は本当に流れて私たちも歳を重ねていく中でお互いの関係値も変わってきているようなきもしていますが、なかなか会う機会がなく(サメちゃん曰く私はなかなか会えないレアキャラらしいw)話す機会もあまりなかったのですが、これからはもっと話をしていきたいなと一方的に思っています。
片想いに終わらないように、まずは今年のオフシーズンはサメちゃんに必ず会うことをここで宣言します。(多分もう4年くらい会ってない?)
あなたと出会えて、そして一緒にサッカーができて、一緒に戦うことができて本当に本当によかったと心からそう思っています。私のことを見放さずにいてくれてありがとう。
現役生活お疲れ様でした!そして素晴らしいキャリアにおめでとう!Congrats on your amazing career!