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6月の好奇心

毎月約3千円($20)を、好奇心を満たすもしくは湧き上がらせるような事に使う試み、好奇心予算。

3月Zine、4月スタンプ、5月タイプライターと文具系が続いたので、今月はお出掛け系にしました。

ダンボと呼ばれるオシャレショップや芸術家のアトリエも集まるマンハッタン橋の下エリアから歩くこと約15分。
訪れたのはニューヨーク最古の蒸溜所、キングスカウンティディスティルティ。
ウイスキーの工場見学&テイスティング$20に参加します。

入り口
お城みたいでかっこいい!

お城みたいな建物に入ると、中はバーとテーブル。古いコテージのような自然と調和したヴィンテージ感がとても可愛い。
外にはテラス席もあって、お外ご飯大好きな私としては最高の空間にテンションが上がります。

内装
中庭のテラス席

あれ?工場はどこにあるんだ?地下?

さて、勘のいい人はお気付きかもしれませんが、人、居なさすぎ。
時刻は12:50。13:00ツアー開始なのに、私以外誰もいない。何ならツアーガイドらしき人も居ない。
集合場所を間違えたのかも?と思い、スタッフらしき人に声を掛けたらなんと

予約来週だった!!!!!!

やりましたね。
そうだ、某原稿の締切が終わってからと思って最終週に予約したんだった!!
好奇心予算のレポート毎回何かしらやらかしているので、私がいかにぼーっと生きてるか皆様にバレていそうで恥ずかしいです。
幸いにも今日これからツアーやっても良いよと言ってくれたので、原稿は来週やるとして今日は蒸溜所ツアーを楽しもうと思います。

ツアーの前にお手洗いを借りたのですが

この怪しげな入り口から
財宝が隠されてる部屋に続きそうな階段を降り
中世に迷い込んでしまったような地下の
プリンセス幽閉部屋にトイレがありました

廊下は階段の窓から自然光が入るので良いのですが、トイレのドアを閉めると暗すぎて何も見えなくなるのでスマホの懐中電灯を点けて用を足すなんて初めてで笑ってしまった。
プリンセスにはなりたいけど、絶対に幽閉はされたくないな。

缶バッヂもろた

幽閉部屋から無事脱出出来たので、気を取り直してツアー開始です。
ツアー参加記念として、この蒸溜所のウイスキーボトルが描かれた缶バッヂを貰いました。
バーテンダーさんに渡すとドリンクに替えてくれるそうですが、果たして……?!

蒸溜所は先ほどいたお城のような建物から少し歩いた先にいったところ。

ばーん!
ばばーん!!

門から全部蒸溜所なのかと思ってましたが、この建物だけでした。
この蒸溜所があるのは、米国海軍の造船所跡地を再開発したブルックリンネイビーヤードというエリアで、倉庫やアートスタジオ、ショップ、レストランなどがあるみたい。
みたい、というのも、そんな場所だと今調べて知ったので、当日は直行直帰してた。
今度行ったら周りも探検したいですね。アートや写真関連のギャラリーも沢山あるみたい!

この蒸溜所の建物も元海軍施設で、もう少し川に近い場所にあったものを移動したんだよ。と教えてくれましたが、こんなもんどーやって運ぶんや。

入り口のお城は1896年、蒸留所のある建物は1901年建造だって。
120年超続いてるのすごいな、と思いよくよく聞いてみると、この蒸溜所の創業は2010年。
ニューヨーク”最古”ってまだ14年しか経ってない!!!
どうやら禁酒法以降ニューヨークでは蒸溜所の許可を取るのが難しく、2009年に規制緩和されて造られた初めての蒸溜所だから”最古”とのこと。なるほど。

建物内に入ると特徴的なタマネギ形の機械が目に入ります。
これはスコットランドから取り寄せた蒸留する機械。
試行錯誤の結果やはり本番スコットランドの機械がいちばん良いと判断して取り寄せたとのこと。
この蒸溜所で作っているウイスキーはトウモロコシが80%。トウモロコシはニューヨーク州産を使っているが、大麦麦芽はイギリスから取り寄せてるそう。
トウモロコシが主原材料でアメリカ国内で製造されているので、厳密にはバーボンらしい。
逆に、トウモロコシが主原材料でもアメリカで製造されてないものはバーボンじゃないって知らなかった。へぇ。

奥の茶色が蒸溜所のアイコンにもなっているタマネギ

この機械で絞って蒸留してナントカ〜って色々教えてくれたがもちろん覚えていない。こだわりですね〜。
そして出来たのがこちら!と、樽で熟成する前の出来立てウイスキーを飲ませてくれた。熟成前のウイスキーをムーンシャインと呼ぶらしい。
あの!映画で観た禁酒法時代に家で作ってたやつ!!とテンションが上がる。
トウモロコシの甘さを感じるけど、アルコール高すぎて舌がビリビリや!!

熟成部屋

そして2階に上がり、熟成部屋を見せてもらう。
新品の樽を使うんですね〜、とか、別のウイスキー熟成用に使用済みのワイン樽も買うんですね〜とか、エンジェルズシェアと呼ばれる天使の取り分はこの部分ですね〜、とか色々聞いた。

熟成2年の樽
中を炙った樽
エンジェルズシェアの部分(バーボンが染み出した線)

年間製造量に規制があるので、週3日くらいしか蒸溜所自体は稼働していないらしい。
会社もツアーガイドやバーテンダーも含めて従業員33人ととても小さな会社。
なんせマンツーなので雑談をしながら熟成部屋を歩いていると、脚に何かがぶつかった衝撃が。

ねこちゃん!

この蒸溜所の従業猫のハロルド。役職はかまってちゃん主任。
人懐っこくてツアー参加者に片っ端から絡みに来るらしい。
にしても、体当たりって!ツンデレかよ!可愛いな!!!!
なでるの辞めてガイドさんのお話を聞くとまた体当たりしてくるので何度もなでなでさせて頂きました。ありがとうございます!!

猫ってこんな人懐っこい子いるんですか

一通り見学も終わり、いざ!テイスティング!!
まずはノーマル、熟成の進んだもの、特別版みたいな3種類をテイスティングさせもらいましたが、全て「美味しいですね」としか言えない私。
そう言えばテイスティング苦手だった。
草原を駆け抜ける馬のような爽やかさですね、とか言いたい人生でした。
なんせマンツーなので気まずいです。
気を遣ったガイドさんが好き嫌いで言うとどっち?とか自分はこういうフレーバー感じるとか色々ヒントくれて、言われてみればそうかも、とか、それを言うなら、と会話を重ね何となくテイスティングっぽくなってよかった。

ノーマル、スモーク樽、スペシャル
たくさん表彰されてる

そりゃスペシャルがいちばん美味しいし、ノーマルよりスモーク樽ですね。
他にもスパイスを漬けたもの、熟成の違うもの、蒸溜工程でコーヒーと一緒に蒸溜した?コーヒーウイスキーなど、これ試したい!と言えば出してくれる。
そしてこのコーヒーウイスキーがかなり危険な味でした。アルコール度数40%なのにごくごくのめる美味しさ!危険すぎる!ひと瓶ください!!

ハロルド主任のチェック入ります。

という訳で、自分用とお土産用にいくつか買って、ハロルド主任を最後にひとなでして蒸溜所を後にしました。








帰ると思った?ざんねーん!バーに戻ってきたよ
なぜなら私には大事な決断を下さないといけませんからね。
そう。ツアー参加記念の缶バッジをドリンクと交換するかどうか。
まぁ交換しない訳はないですね。

さよなら缶バッヂ
こちらの夏のスペシャルカクテルを頂きました

私と入れ替わりにツアー客が沢山来ていて、人が居なかったのは真昼間からウイスキー飲むアル中が居なかっただけでした。

一方、真昼間から飲んだくれたアル中は、カクテルのお代わりはせず、好奇心予算を見事$20ぴったり使い切り、良い気分で今月の好奇心予算を終えたのでした。

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