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障害者が社会の中でどうやって自立して生活していくか-『40歳を超えた自閉症の人たちの現況調査』から考える、障害児を持つ親や兄弟児問題-


【全国自閉症者施設協議会『40歳を超えた自閉症の人たちの現況調査』(平成18年度 財団法人 三菱財団助成による調査研究報告書)】
http://zenjisyakyo.com/data/40koetatyousa.pdf?fbclid=IwAR2a1kIzXbji5dwEpzKb6G9VZPGLvaJ9hy0rh5KcgFK6u6EKIAKzFLgKSDs

上記の報告書を見て、しんどい気持ちになった。
1986年(平成元年)に発足した社団法人日本自閉症協会には、調査を行った平成18年時点で、49支部1万6千名の会員がいる。しかしこのなかで、40歳以上の年齢の子を持つ会員はわずか3%しかいなかった。

子どもの成長によって退会した会員もいれば、子どもが40歳になる前に亡くなった会員もいるのかもしれない。
海外の調査では、知的障害を伴わない自閉スペクトラム症の平均寿命は36歳とある。日本で平均寿命を調べた論文や報告書を見つけることはできなかったが、上に挙げた調査等を見ると、40歳をこえた当事者を探すことが難しい障害ということはよくわかる。

自閉症に限らず、障害を持つ当事者にとっても、主として面倒を見る・支援する親兄弟にとっても、障害者が長生きすることが喜ばしい結果にならないことがあるという現実は、キツい。

いつの時代も障害者を支える家族は「子どもより先に死ねない。私が死んだら、この子はどうやって生きたらいいのか」と心配しながら生きている。障害児を育てている私自身もそうだし、障害を持つ私を育てた私の親も同じような気持ちだったと思う。

親もつらいが、障害者を兄弟姉妹に持つ「兄弟児(親が亡き後に、障害を持つ兄弟姉妹の面倒をみることを期待されて育つ子ども)」の問題も深刻だ。
私の親や弟にとって、私や息子を「どうやって支え続けるか」は、常に悩みの種になる。生きていくためには、お金も手間もかかる。しかし、障害年金は受給すること自体が難しいし、もらえても雀の涙。働けたとしても障害者雇用の給与は驚くほど安い。いったい、いつになったら障害を持った我々は、社会の中で自立・自律できるんだろうか。

自閉症もそうだが、発達障害や精神障害は見た目では障害があるとは判らないことが多い。社会で上手くやっていくためには必死に「普通のふり」をしなければならないから、余計に見分けがつきにくいのかもしれない。

しかし、我々は自分の意思ではどうにもならない身体を持って生まれてきてしまった。何らかの支援なしには、到底生きてはいけない。先天的な脳の障害は、根性ではどうにもならない。にもかかわらず障害者らしく見えないから、支援はいつも充分に受けられないか、後回しになる。

どうせなら、もっとわかりやすく「自閉症の人間は肌が緑色になる」などのオプションを遺伝子につけておいて欲しかった。青でもいい。だが、ピンクは嫌だな。どっちにせよ、神様は気がきかないな☹️

話がそれたが、障害を持っていても、安心して長生きできる社会を創れたらいいなと願わない日はない。
障害者になって3年くらい経つが、毎年数人の友人知人が若くして亡くなってしまう。私はこれ以上、大切な命が失われていくのを見たくないし、私自身も長生きしたい。大抵の場合、障害者が自死を選ぶ原因は金の問題か孤独だ。
社会が要求する「普通」になれなくても、充分な収入を得る方法を考えたいし、それはテクノロジーと compassion が解決していくんだと思っている。

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