第2章 私が受けたい医療・介護シナリオ①

書く人(A)75歳女性 高血圧 やせ型 7人暮らし ペット犬
お友達(B)75歳女性 糖尿病 太りぎみ 夫亡くなり独居 ペット猫

A:もし私が医者どんに余命がいくらもなかて言われたらどがんしようかな。
やっぱり入院して最後まで病院におる方が家族の手ば煩わせんでよかとかな。
今は施設でも最後まで居らせてくれらすて聞くばってん、私は家族にはあまり負担ばかけたくなかとやんね

B:私はね、旦那さんは家で看取ったとよ。

A:ばっ、:家で看取ろうちゃ大変かったろたい。
あんたようしたねー
わたしゃ、あんくそ親父ば看取るて介護やらなんやら自分でするとは自信のなか。
親父は尚更よ。私のことば任せられん
なんば しーきると思う、あんわれが。
家事もいっちょんしたこたなかとだけん。
いやいや、想像出来ん。
孫の守りはするばってん。
後、しーきることといえば犬の散歩くらいしか。
自分が先に逝くことになったらなんて考えたこともなかったばってん、家で最後までていう選択肢はわたしにゃなかよ。
あんたは病院に入院させるなり施設に入所させるとかは考えんやったとね。

B:あんたたちケンカばっかしとるもんね。
今は施設でも最後まで居らせてくれらすていうもんね。
ばってんばい、今はコロナが流行ってから病院も施設も面会出来んじゃなかね。
死ぬようなことになったら最後まで会えんとだろ。
わたしゃそがんとはやっぱり嫌よ
私らは夫婦二人だけだったけん仲良くしとったとよ
特に年取ってからはお互いに助けあって生活してきたよ。なんでんしてもらったときはありがとうて言うてから。
あっちが言わんだったらこっちから、ありがとうは?て言うて言わせよった。

A:あんたたちが仲の良かったとは分かったけん。
ご主人が亡くなるまで どかんやってきたかば教えてもらえんでしょか?
参考までに。

B::うちの旦那さんなね、間質性肺炎て病気で70過ぎたくらいから日常的に酸素ば吸うて生活しよったとよ。外に出るときは 細んかボンベは連れてさるきよったと。
家で生活するとにリクライニング出来るベッドのほしかったけん、どがんすればよかか病院で聞いたら、介護保険ば使えば借りられるて教えてくれらしたもん。
だけん、市役所に行って介護保険ば申請して、そしたらケアマネージャーさんがうちに来てくれらして手摺ば付けたりポータブルトイレば借りたりて、家のこともいろいろ調整してくれらした。
身体がまだ動けるときは通所に通ってリハビリも出来よったとよ。
寝たきりになってからは、私、車運転できんど。
どこにも出られんけん、病院の先生が家まで来てくれらす事になったとよ。
そして、訪問看護師さん、ヘルパーさんて来てくれらして、リハビリの先生や薬剤師さんまで来てくれらすと。そうそう、訪問入浴てお風呂ば家に持ってきて入らせてくれらしたよ。
私は昼間は殆ど見とるだけでよかった。
自分の病院や用事に行くときは妹に来てもらいよったよ。
足のなかっちゃどこでん行くときはバスに乗るか誰かに頼むか、ヒッチハイクばするけんよかと。
夜は勿論私がついとったけど、何かあったときも電話すれば先生が往診に来てくれたり、看護師さんが来てくれらして、話もいろいろ聞いてくれらすし。
家で生活するとも、病院に入院するととなんら変わらんごと出きると分かって心強かったよ。

A:へー、そがんこともできるとやね。
そんなら家で最後までおられるとも良かね。

ところで私、自分が認知症になったときにもどがんすればよかとか心配なのよ。
今は週に1回ある社協さんの会合で健康チェックやら体操やらしてくれらすたい。
でも、予防ていうたっちゃ避けられんこともあるたい。もう、最近の物忘れときたら。
それに、なんばてれっとしとったっか、塩と砂糖ば間違えて煮しめに入れてしもうて、えらい塩辛うなってしまって。だけん後から砂糖ば足したと。
そしたら親父の「こがんた食えるか!」
て、もう言わす言わす。自分じゃ何も出来んくせしてから。今度はわざと辛子ば仕込んでやろかな。

B:まあまあ。
うちはもう、猫のたろちゃんしかおらんけん。
たろちゃんに介護ばしてもらうわけにはいかんけん、どこか施設とかばさがさんば。
遺産は何もなかばってん、全部たろちゃんに残すて決めた。
大事に飼ってくれる人ばさがさんばなー。

A:あんたしっかりしとるね。
ほんとよねー。今のうちにいろいろ考えて準備しとったがよかね。

B:それなら私のかかりつけの先生に聴いてみよう。
心やすか先生やし、いろいろ教えてくれらすよ。
うちの旦那さんも診てくれらしたと。
在宅医療やら人生会議やら言いよらすけん。

A:よかとやろか?
聴いてみたかなー。

B:行こ行こ、今からヒッチハイクして。
早うせんば丼丼フェアにはってかすけん。

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