133. あと一勝すると何が起きるのか
皆さんこんにちは!三浦優希です。
今回は、今週末3月19-20日に控えたプレイオフ準決勝・決勝についてのお話をしていきたいと思います。一体現在自分たちはどういった状況に置かれているのか、そして、次の試合に勝つとどのようなことが起こるかを皆さんに説明させていただきたいと思います。かなりアツい展開ですよ!
よろしくお願いします。
今、どういう状況?
現在僕たちは、所属しているカンファレンスであるWCHAのプレイオフ(今シーズンのチャンピオンを決めるトーナメント)を行っています。簡単に説明をすると、NCAA D1アイスホッケーには合計61校が参加しており、各大学はそれぞれカンファレンスと呼ばれる地域ごとのグループに分類されています。
それぞれのカンファレンスは10チームほどの集まりで、シーズン中は基本的に基本的に同じカンファレンスのチームと対戦を繰り返します。(つまり、同じD1だからと言って全チームと対戦するわけじゃないんです!)
僕らLake Superior State University(以下LSSU)が所属しているのが先ほどの写真の右下にあるWCHA(Western Collegiate Hockey Association)ということになります。
話を現在に戻します。このWCHAプレイオフは、昨年から始まり3月上旬に終了したレギュラーシーズンの結果を基に組み合わせが決まります。今シーズンは、コロナの影響もあり、10チーム中8チームのみの参戦でした。そして僕らLSSUは、レギュラーシーズンを2位で終えることが出来ました。ちなみに、このレギュラーシーズン2位という記録は、1996-97年以来の好成績だそうです。
(WCHAサイトより)
この結果を基に、僕らのプレイオフ1回戦の対戦相手は7位のアラバマ大ハンツビル校となりました。プレイオフ1回戦は、Best-of-three方式(3戦中2勝した方が勝ち上がり)でした。
そして、僕らは、3月12-13日で行われたこの対戦で無事2連勝し、WCHAプレイオフのベスト4へ駒を進めることが出来ました。
そして、最初に言ったように、今週末(3月19-20日)に準決勝と決勝(どちらも1戦のみ)が行われるという、大一番が控えています。
人生で一番大きな試合になるかもしれない
ということで、上記で説明したように、WCHAのトップ4チームが出揃いました。ここからは至ってシンプルです。
「負けたら終わり」
それだけです。
僕らは、Bemidji State(ベミジステート大)との対戦となりました。今シーズン、ベミジとは計4回対戦しており、今までの結果は2勝2敗です。
スピードとスキルを兼ね備えた、得点力に長ける選手が多数存在するチームです。きっと、熱い試合になることは間違いないでしょう。
そして、このベミジとの試合に勝利することは、実は僕らにとっては最も大きな意味を持つ一戦になるのです。
あと一勝すると・・
なぜベミジとの対戦がここまで重要なのか。それは、LSSU Hockeyの歴史に深く関係してきます。
何と現在、LSSUはチーム創設後通算999勝を記録しています。つまり、次の試合に勝てば1000勝という大きなマイルストーンを達成することになります。この、素晴らしい記録を絶対に今達成したいと思っています。
それだけではありません。もし次の試合に勝利すると、現在の4年生(僕の同期)の4年間の通算勝利数が、過去30年ほど破られていなかった記録に到達します。これは、上級生、下級生を含めこれまでのチームメイトの素晴らしい協力があって、成し遂げられることです。ともに4年間を過ごしたクラスメイト(同期)と、レガシーを残したいと強く思っています。
さらに!ベミジとの対戦に勝利し、カンファレンス決勝に進出することが出来れば、それは1995年以来の記録(WCHA新設後としては初)の快挙となります。
つまり、相当熱い展開が待っているということです!ワクワクするでしょう?こんなチャンス、きっと人生で2度と起こらないかもしれません。
ただ!この話には実はもう少し続きがあるんです!
WCHA決勝進出の、その先に
このWCHAプレイオフの優勝チームに与えられるのは、栄誉だけではありません。それは、全国大会(NCAA National Tournament)への出場権です。
National Tournamentは、読んで字の如く、全米一位を決める大会です。出場校は全部で16チームで、大会はシングルエリミネ―ション形式(1戦して勝った方が勝ち上がり)となります。
先程紹介したNCAA内に存在する6つカンファレンスのチャンピオン(6チーム)は、自動的に全国大会への出場権を獲得することが出来ます。
では、残りの10チームはどのように決められるのか。
それは、NCAA Hockey Committee(委員会のようなもの)が今シーズンの各大学の成績を全て吟味した上で、投票によって決められます。つまり、成績のみではなく、ある程度の主観的意見が取り入れられるということです。
そしてそこで参考とされるのが、National Poll(投票)というものです。これはシーズン開幕後から、毎週トップ20チームがランキング形式で発表されるというものです。成績の良いチームに票が集まり、このトップ20ランキングに入ることは一つの「強いチーム」であることの指標とされています。
そして僕らLSSUは今シーズンを通して、ほぼ常にトップ20に入り続けています。
ちなみに、LSSUの現在のランクは18位です。
(NCAA Hockeyサイトより)
正直に言って、僕らはランクの高いチームよりも成績の良いケースなどもあるのですが、大体年間を通して18-20位ほどに位置しています。
ここからは推測ですが、WCHAから全国大会に出場できるのは2チームになると予想されます。そのうち、1チームはほぼすでに決まっています。それは、強豪Minnesota State(ミネソタステート)大です。この全米ランクでは3位に位置しており、WCHAレギュラーシーズンも1位で終えている大学です。この大学は、もし仮にWCHAプレイオフで優勝できなかったとしても、今までの成績から全国大会に出場することはほぼ確実と言えるでしょう。つまり、残りの一枠を他のチームで争うことになります。
一番手っ取り早いのは、僕らが優勝することです。そうすれば自動的に出場が決まります。ただ、もし優勝できなかった場合は、投票によって出場できるかどうかが決まります。
現在National Pollにおいて、同じWCHA内で僕らよりも高いランクに位置しているチームは、13位のボーリンググリーン大、そして15位のベミジ大です。
ボーリンググリーンはプレイオフ一回戦でまさかの敗退となり今回のWCHAプレイオフのベスト4には入っていませんが、それでもこれまで年間を通してほぼ全国ランクトップ10入りをしていた成績から、投票数を得られる可能性は多いです。(ちなみに僕らは今年、ボーリンググリーンに2戦2勝しています)
そして、僕らLSSUとベミジ大。WCHAのレギュラーシーズンでは僕らの方が上でしたが、ベミジは先ほど述べた最強チームであるミネソタステートに勝利を挙げるなど、この2校は客観的に見ても成績が均衡しています。そんな中で、両校は決勝進出をかけて今週末に戦います。
つまり!!
このプレイオフ準決勝で勝利し、決勝に進出した方が全国大会の出場権を得られる可能性が高いということです!
決戦へ向けて
いかがでしたでしょうか?これほど舞台が整うなんてなかなかないですよね。
コロナの影響で試合数が普段より少ない中で、このような巡り合わせとなりました。もし、例年通りに試合がおこわれていたら、きっと僕らは1000勝ももう少し早く達成していたかもしれません。でも、それが不思議なことに、人生大一番のタイミングと重なりました。
もう、ワクワクが止まりません。
また、ここだけの話ですが、まだ不思議な巡り合わせがあります。準決勝で対戦するベミジ大、それからおそらく決勝で戦うことになるであろうミネソタステート大は、実はどちらも、大学選びの際に僕に興味を持ってくれていながら、最終的なオファーを貰うことのなかった2校でした。
そんな中で、熱烈に声をかけ続けてくれたのがLSSUでした。僕はLSSUに進んだことを心から誇りに思っています。あの時に僕をチームに誘ってくれたコーチ陣に最高の恩返しをするチャンスだと思っています。
最後になりますが、ここまでさんざん「もし次の試合に勝てば~が達成される」という話をしてきたわけですが、あくまでそれはすべて副産物であり、目的ではありません。
今の自分のsingular focus(単焦点)は、目の前の戦いにとにかく勝利すること。それだけです。
そのあと何が起こるかとか、勝ったらどうなるかよりも、今自分がやるべき仕事を全うします。
きっと、人生最大の試合となります。どうか、皆様のパワーを頂けたら幸いです。一緒に戦ってください。どうぞ応援よろしくお願いします。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
三浦優希
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