見出し画像

126. 何歳になっても成長し続けるには

衝動が冷めやらぬうちに、この心の底から吹き出てくる熱き感情を文字に変換していこうと思います。今、僕は猛烈に興奮しています。なぜなら、自分がまだまだ成長できるということを確信できた夜だったから。

常に新たなスタンダードへ挑み続ける事

週末に全米トップチームの一校であるミネソタステート大学との対戦がありました。結果的には、1試合目が0対3、2試合目が2対6の敗戦でした。僕らのチームはある程度健闘していたし、試合を詳しく見返せば得点チャンスもあり、「そこで決めていれば試合展開が大きく変わっていた」というシーンが多くありましたが、実際のところそもそもの地力に大きな差があったことは否めません。敵ながら非常に良いチームでした。

僕は、1試合目は決して悪くはないパフォーマンスだったものの、自分が持っているパックをすぐに奪われてしまったり、余裕があるのにパスを出してそれを結果的にカットされたりという、消極的なプレイがいくつか見受けられました。コーチからも、「すぐにパックを放そうとしないこと。相手のチェックが来るのを待たないで足を先に動かすことを2試合目ではやってほしい」と言われていました。

そんな中で迎えた2戦目は、僕の大学4年間の中でベストパフォーマンスを発揮できた試合の一つとなりました。自分自身でもそう感じていたし、コーチや実況者、試合を見てくれたファンやチームメイトのみんなからも、「今日のユウキは本当に素晴らしかった」と声をかけてもらえました。

この日の僕は、試合前から、とにかく「目の前の敵と勝負を挑み続ける」ことを決めていました。相手のチームの守備システムは、徹底的なman on man(1対1)です。だからこそ、自分が目の前にいる敵とのバトルに勝てばそこから相手の守備は崩れチャンスが訪れることを知っていました。僕はこの試合を通して、リアルタイムで成長できていたと思います。

この試合の第一シフトから、違いは明確に表れていました。敵陣地のコーナーでパックを持った時、今までの私は、相手のプレッシャーに耐えることだけを考え、足を動かすことをやめていました。ただ、この試合では、自分がパックを持ったらまずは足を動かし、少しでも早く相手のプレッシャーを回避することを常に心がけていました。するとどうなったか。相手の守備が後手に回ったのです。相手は、僕がアクションしつづけることで「リアクション」をする必要がありました。結果、僕は自ら余裕を作り出すことができ、そこから自分でゴールに向かったり、味方にパスを出したりと、様々な攻撃の展開をすることが出来ました。

もちろん、前から「足を動かし続けること」は大切だとはわかっていたけど、それを今までなかなか実践できていませんでした。それがこの試合で、思い切りリミットが外れた感覚でした。そこで気づけたことが、「自分にはこのレベルのDFを打開するスキルが絶対にある」という事でした。今までは、そこから逃げていたんだと思います。

常に足を動かし続けること、後手に回らず常に攻め続けること、勝負を挑み続けること、相手のチェックを食らうのを待つのではなく先に動くこと、パックをもらったらまずは自分が目の前の敵を抜こうとする気持ちを持つこと、そして常に自信を持ってプレイし、挑み続けること。

その大切さを、この試合は教えてくれました。

僕が北米に来てから多くのコーチに言われていた課題である「優希は余裕のある時(スペースがあるとき)は良いプレイをできるけど、狭いエリアでは勝てていない」という言葉。今までは、「余裕がもっとあればいいのに」と思っていたところがありました。けどそれは大きな間違いでした。

プレイ中の余裕とは、自分で作り出すものでした。

大学2年生の時に、監督から「Tenacity(粘り強さ)をもっと持て」と言われて以来、自分はひとつのプレイに対する考え方や闘争心が変わり、そこで成長を遂げることが出来ていたと思っていたけど、まだまだ僕には進化できる部分がたくさんありました。

この試合は、1-1に勝利することや、目の前の敵とのバトルに勝つこと、何があってもパックを守ることなど、戦いを続けていく上での大切さを、改めて思い出させてくれました。

そして、そんな自分が新たに向かい合っているテストは、このパフォーマンスを自分のニュースタンダードにできるかどうかです。つまり、来週の試合が正念場になります。どんな試合でもパフォーマンスに大きな差が出ることなく、常に高い要求を自分自身に課して、それをクリアしていけるようなConsistency(一貫性)を持った選手になります。

何よりも嬉しかったこと

今回の試合を終えて一番嬉しかったことは、ゴールを決めたことでも、調子が良かったからでもなく、この年でも自分はまだまだ成長できると確信出来たことでした。正直、24歳という年齢はスポーツ界からしたら決して若いとは言えません。そんな年齢になった自分だからこそ、このように成長の瞬間を自分の手のひらで感じ取ることが出来たことが何よりの収穫でした。

いつになっても、何歳になっても、学ぶ姿勢や戦いを挑む覚悟を失わなければ、今の自分をいつだって超えられるということを、自分自身の行動から学ぶことが出来ました。今後も、それを証明し続けていきます。

今回の経験から、発見したことがもう一つあります。それは、

「人は、やることが明確になった時にやっと自信を持てる」

ということです。逆に言えば、自分のすべきことが明確になっていない時間の方が圧倒的に長いし、不安も多いかもしれません。だからこそ、何をすればいいかはっきりしていないときは、常にもがき、手を動かし続け、自分に挑み続けることが必要不可欠です。時間はかかるかもしれないけど、自分が自分自身に挑むことでしか、本当に目指しているものの姿を捉えることはきっとできないのでしょう。少なくとも、僕自身の人生はそのような設定でデザインされているようです。

年齢を重ねても成長を続ける方法はとにかく挑み続けること。僕はそう思っています。その”領域”を超えられるかどうかは「今、自分が戦えるか」にかかっている。

こんなに自分にまだまだ伸びしろがあるなんて。成長できることがいくらでもあるなんて。これだけ熱中できるものがあって、まだまだうまくなりたいと思えて。そんな人生を歩めている自分はなんて幸せなんでしょうか。

振り返ってみれば、試合に全く出してもらえないところから始まったこの大学アイスホッケー生活。そこから一歩一歩進んできた。そして今がある。だからこそ、もっともっと成長スピードを上げなきゃ。

ああ、もっともっと上手くなりたい。圧倒的に上手くなって、必ず高みへ行く!もっともっと練習して、今日の自分を超えていく!戦え!戦い続けろ!常に新たなスタンダードに挑み続ける!それが成長するための唯一の道!

僕はまだまだ成長できる。まだまだ強くなれる。

そう確信できた一日でした。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

三浦優希

画像1

P.S
今回対戦した、強豪ミネソタステート大学ですが、このチームに入団が確定している日本出身の選手がいます!名前は安藤優作選手。弱冠17歳にして、NCAAトップチームへの進学を決めた、今後の日本アイスホッケー界を代表する一人になるであろう選手です(来年入学予定)。これは本当に凄いことです。ぜひ、彼のチャレンジも応援よろしくおねがいします!

もっと言うと、彼の他にも、たくさんの若い有望な選手たちが、海外でそれぞれ挑戦を続けています。いつかそんな選手たちのことについてもここで紹介できたらいいな。聞いたらワクワクするような選手たちがいっぱいいます!日本のアイスホッケーはこれからですよ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?