介護職員が親の介護で仕事を辞める?!③
私が、エリアマネージャーになって半年程経った頃。
やっと、介護認定申請もスムーズに受けられ
結果を待つ日々。
ある日、昼から休暇を取っていた為、帰宅すると
姑が居ない。
“また、買い物かな…。”
久しぶりに半日でも休暇が取れたので
姑の居ない間に、台所を片付けたり
姑の部屋のとっ散らかってる衣類を片付けたり。
…本当に、人がすっかり変わってしまった。
猜疑心の塊のようになってしまい、人相も暗く怖い顔になってしまっていた。
最近では、話しかけても返事もしなくなった。
チッ、と舌打ちする事も出てきた。
正直、元々そう特別仲良しではなかったが
やはり家族なので、こう露骨に人を嫌う様子を見ると悲しくなる。
台所の包丁は手の届かない場所にしまい、鍵をかける。
ガスは外の元栓から切る。
せめてものリスクヘッジだったが、不安はつきまとう。
介護認定がもうあと何日かで下りる、という所で
昔、地元で長年訪問介護をしていた頃に同僚だったYさんという方が、ケアマネの資格を取り、独立して事業所を構えていると聞いていた。
Yさんに、急遽ケアマネさんを紹介してもらえないですか?とお願いした所、快く引き受けて下さり
Sさんというケアマネさんをご紹介頂いた。
Sさんは迅速に、何からサービスを使う事にするかと聞いて来て下さった。
とりあえず、ゆくゆくは2つ隣町のグループホームに入居してもらいたいと希望している事を伝える。認定が下りたら、入居申し込みをして、それまでの間は何とか在宅介護で凌ごうか。という事になった。
…しかし、大事件が起こった。
この日、夜になっても姑は帰って来なかった。
慌てて、警察署へ相談に行き、捜索願を作成。
しかし、担当の警察官からは
「行方不明になるお年寄りは増えていて、もしかすると見つからない可能性もあります」
と聞かされる。
…どうしよう、心配していた事が現実になってしまった。
車に轢かれていないか、誰かに迷惑をかけていないか。
何より、ケガなく無事だろうか…。
後悔先に立たず。
ダンナも、ようやく
「自宅での介護は無理だね。ごめん。」
と、口にした。
④へ続く