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Hey, dear my friendsに救われたお話。【特別連載 0/3】

12月は、特別連載と銘打ちまして「劇場総集編 幻日のヨハネ」の感想や考察を3回に分けてお送りする予定。
―――――― ちょっとその前に。


幻日のヨハネの楽曲で一番好きな曲。


人見知りも、悪くないね。


私は何度このシーンを見ても、涙すると思う。
第6話「ひとみしりのハーモニー」の劇中歌、ヨハネ・マリ・リコで歌う「Hey, dear my friends」。

幼少期に切り株で歌っているところをからかわれたが為に、ヌマヅという街が嫌いになって1人で出ていったヨハネ。
頭の角を持って生まれ、聞こえてくる音と人々の好奇の目に怯えワーシマー島に1人で閉じこもっていたマリ。
仲良くなっても親の転勤で友人や動物たちとの別れを繰り返し、”思い出”というものに酷く嫌悪感を抱き1人で抱え込んでいたリコ。

そんな3人が偶然出会い、友人とともに楽しみ生きることが「色とりどりの花に囲まれているように」鮮やかで幸せな人生かを思い知る。
それが、Hey, dear my friendsを語る上でのストーリー。

実の所、私にはそういった境遇になっていたからこそ凄く心にくるものがあった。


2023年5月。あの日から1年と7ヶ月…


忘れもしない。
メルボヤ大阪公演直後、いな民で飲み会した時のことを。

私が初めて、伊波杏樹さんのことを推している人―――――― 通称いな民と交流をした瞬間。
なんでだろう、心が凄く温かくなって。
2年前のクリスマスで伊波さんが心の底から想いを語って、その消え入りそうな想いを消さないように集まったいな民と、腹割って語り合えて。

中には私のように、「今までは1人で推し活してました」という人がいて。
―――――― その時、私は凄い勢いで視野が開けていく感覚がした


その日を境に、私の「伊波杏樹さんと、Aqoursと共に歩む」人生は色とりどりの花に囲まれていくようになる。

運動会で大盛り上がりしたり、沼津でBBQしたり、60人にクルミッ子配ってみたり、香川に行って夏フェスに参加したり。
これまで”単独行動主体”だった私のライフスタイルとは全く異なる日々。これこそが、


弱虫を卒業した先の、
遅れてやってきた青春。


他人にロクに声をかけられずに、「ダイスキを分かち合う仲間と遊ぶ」という概念が皆無だった私にとっての、10年弱遅れてやってきた青春。
その根本的な弱虫の原因をわかっていた気でいたけど、この曲を聴いて初めて気付かされた。

リコのように、私は「想い出作り」からあえて目を逸らしていた節もあったし、マリのように自分への自信のなさで閉じこもっていた節もあって。
その心を覆っていた殻を打ち破ってくれたのが、他でもない沼津の街だったことで、この曲がまるで心に一つ落ちた水滴のように全てを潤していった。

また傷つくのが怖いなあって 自分から向き合えなかったけど みんながいるから、今は全部が楽しい!

一人の時間も嫌いじゃないけど、みんなといると笑顔になれる
今更だけど、今からでも遅くないって、きみを見て思えたんだ

誰かのためにこんなに頑張れるなんて でも、こんな自分が結構好き。いいよね?

Hey, dear my friends / ヨハネ・リコ・マリ
作詞: Kanata Okajima , Hayato Yamamoto

このパートを聴いていると、あの日から楽しく遊んで盛り上がって語り合った日々が走馬灯のように頭を巡る。
それがああやって涙として出た。そういうことだ。ようやく腑に落ちた。

―――――― とはいえ、私には1つやり残したことがある。


自分から遊びに誘うこと。



小さなことから始めたら、泣けるほどの景色に出逢えた。


今月8日。
私は初めて「仲間を映画に誘って一緒に観た」。

8月31日のバスツアーの終着・東京駅で、「一緒に幻日のヨハネの映画を沼津で見て、一緒に熱く語り合いたいです!」と。
構想3ヶ月。向こうさんもしっかりと行程を考えてくだすって。朝からサンシャインシネマに向かっていきましたと。


放映当時、この方は自分の考えていた「幻日のヨハネの世界観」の更にその先に手を伸ばして考えていた。それを見て、私は


「この人なら分かってくれる……!」


というある種の信用が芽生えた。
ヘッダーにも載せた「トーレス湿地園」―――――― もとい、牛臥山公園。
ここに行こう、と提案をしてくれたのもこの方だった。
そこから御用邸の「女子会の会場」を見に行って、そして内浦に。


旅の終着地、三津浜の夕焼け。

Aqoursのことについて、ひいては伊波杏樹さんのことについて。
色んなこと語っているうちに、”浜絵”の制作現場に出くわし、永久hoursのことにまで話は及び、日はどんどん暮れていく。

―――――― 遠方から来る我々からすると、冬場にしか拝めない三津浜の夕焼け。行程では頭に入れていなかったけど、2人で沼津を巡っていると思いがけないミラクルが起きたんだ。
このかけがえのない景色を眺めながら、どこからともなくカトタツの劇伴が流れてきて(本当に)涙が流れて。
間違いなく忘れられない瞬間になった。


そして浜絵師の方も合流して3人に。
奇しくもHey, dear my friendsみたいになって、ずぅーっとAqoursと伊波杏樹さんのことを語りつくして。

辿り着いたのは、沼津駅北口の「ジョリーアンジュ」というパンケーキ屋。
千歌ちゃん大喜びの「西浦みかんのパンケーキ」を3連番。
―――――― なんだかまるで桃屋のカツサンドを一緒に食べてたヨハリコマリみたいで、楽しかった。


そして、心からのお見送りを受けて私は沼津を発った。
私から誘ったことが、ここまで大きな愛を作れたということが嬉しくって。
今まで1人で沼津を巡っているのがほとんどだったのが、「沼津に行けばそこに仲間が必ずいる」という状況にまで達し、私の心は徐々に多彩な色に染められていくのを実感した。

―――――― そのような感情こそが、映画で見た「Hey, dear my friends」のシーンと重なっていたのだ。


出会ってくれて、ありがとう……!



【告知つぶつぶ】

来週以降から連載を始めていきますが、25日のアンエトとの兼ね合いも考えてますので年明けをまたぐ可能性がありますことを、ここでおことわりしておきます。


2024年12月12日
中井みこと

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