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シリアス設定なのに主人公が読者を笑わせてくる「耳狩ネルリ御入学万歳万歳万々歳」

好きなラノベについて語ります。
「耳狩ネルリ御入学万歳万歳万々歳」について。

このラノベ、奇妙です。
設定や世界観がとんでもなく硬派というかシリアスなんだけど、読んだ感想では全くそういう風に思わない。
その理由がこの作品の魅力であり、他とは違うポイント。

理由は超簡単。
「主人公の頭がおかしすぎる」
これに尽きる。


ストーリーの大筋は、こんな感じ。

第八高等学校は様々な国から優秀な生徒や王族が集まるようなハイレベル高校。
主人公の「レイチ」は本地民の一般人だけど、親のコネで八高へ進学。
クラスにはゲキヤバ王族の女王「ネルリ」とかいう幼女がいるし、その他のクラスメイトも話が通じるかわからん。
本地民と王国の政治的な関係性に振り回されるし、学生たちもそれぞれの国を背負ってるしで、とにかくいざこざが怖すぎる。
レイチくんは無事に高校生活を送れるだろうか。

って感じ。
もうね、設定が正直全然楽しそうじゃないし、読むのもめんどくさそうな内容。
これがなぜ読めるのか。
「そこにレイチがいたから」なんだよね。


このラノベが面白い理由の90%は主人公「レイチ」にある。
この男、とにかくイカれている。
物語が主人公視点で描かれる関係上、レイチの心理描写をたっぷりと見れるわけなんだが…

妄想・おふざけ・エロ。
こういうことしか読者に伝えてこない。
深刻な状況が全く入ってこない。
こんなの病むだろ、的な状況が山ほどあるのに「なんかこいつ大丈夫そうだな」って思わせてくる。
怒られたり、差別されたり、大人の理不尽に振り回されたり。
そんなときのレイチの脳内はだいたい「モテるかどうか」か「パンツ」。
ほんとバカ。

ただし、レイチの行動は勇敢だし有能。
めっちゃ頭いいし、本当はクッソ真面目なんだと思う。
だからこそ、たまに見せる彼の本音のような部分に感動したりする(癪だけど)

恥ずかしくて真面目になりきれないレイチに、みんなで共感性羞恥を感じよう!


このラノベ、面白いんだけど乗り越えないといけない壁が一つある。
「国名・人名を一致させるのに時間がかかる」こと。

名前がカタカナで覚えづらい。
誰が誰だっけ、って頻繁になってしまう。
「灼眼のシャナ」でも同じ現象になったわ。
もし読むならそこは頑張りポイントだ。


電子版もあるっぽい。
便利な世の中になったねー。
そんな感じでした。
じゃまた。


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