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未婚の母が交際3ヶ月でプロポーズされた話


普段偉そうに「恋愛とは〜」「男とは〜」っと言っている私ですが
そんなこと言ってお前は一体何者やねん!!
って感じだと思ったので
少しずつ私のことについても話していこうと思います。


今日は今の主人について。


出会いは美容室 

何気なく行った美容室でたまたま担当してくれたのが
出会ったきっかけ。
そう彼は美容師さん。


最初はちょっと怖い印象で、あまり話したくないなぁ
って思っていたんだけど、すごく気さくで話がとても面白かった。

未婚で子どもを産んだこと、
看護師をしていること、
超田舎に住んでいること。
色々話した。


バツイチで子どもがいる事、
その子は娘の1つ上だということ、
バスケが好きなこと
色々話してくれた。

そして何度も私のことを褒めてくれた。


当時、付き合っている彼とうまくいっていなかった私は疲れていた。
そして欲していた。
嘘でもいいから褒めて欲しかった。
女性として見て欲しかった。

だから彼からの褒め言葉がとても嬉しかった。



ふとした時に思い出す 

その日以降、なぜだかふとした時に彼を思い出すようになった。

「また会いたい」
「また褒めてもらいたい」
「また話したい」

そんな思いが膨らみ、3ヶ月後にまた彼のいる美容室に行った。
そう、彼を指名して。


その日はたまたま娘が保育園休んだので(私が休みなの勘づいて自分も休みたいとぐずった)
娘も連れて美容室にいく事にした。


そこで初めて娘と会ったんだ。お菓子をいっぱいくれて。
娘ともすごく気さくに接してくれてとても嬉しかった。



そして3回目 

わたし、天パで髪の毛にコンプレックスを抱えている。
だから正直美容室って好きじゃない。


しかも、美容師さんと会話をするのも苦手だし
髪の毛に対してこだわりもなくて。

だから、今までずっとクーポンで安いところを転々としていた。


そんな私が初めて3回目の予約をした。
もちろん彼を指名して。

いつものように楽しくおしゃべりして、お会計してお見送り・・・

正直がっかりしていた。
心のどこかで私は彼とお客さん以上の関係になりたいと思っていたから。
私から連絡先を聞こうか。
彼から聞いてくれるまで、彼を指名して通い続けようか。
もはや髪の毛なんてどうでもよかった。
とにかく彼と進展したかった。

エレベーター前に着く。
ボタンを押そうと手を伸ばす。

「LINE交換してくれませんか?」


緊張した面持ちで彼が私に言う。
私はもちろん快諾した。
だってそのために人生で初めて美容師さんを指名して行ったんだもの。

嬉しかった。



毎日電話、そして告白 

それからというもの、娘が寝た後毎日のように電話をした。

いろんな話をしたけど、結局いつも話の執着地点は
「付き合いたい」「結婚したい」だった。

もうすでにプロポーズされている感じだけど、
この時はまだプライベートで会っていないし、
まんざらでもないけど聞き流していた。

「会ったときに言って」そう私は言い続けた。


そんなやりとりが2週間ほど過ぎたある日、私と彼の休みが被った。
だから初めてデートした。

美容室では見せないなんだか緊張した表情の彼。
わかっていた。彼はこの日私に告白する。
そして私はOKする。

私はそんな台本がすでに用意されていると知っていたし
コトは台本どおりに進むということも予知できていた。


でもどうやら彼は違ったらしい。
ドキドキしてソワソワして夜も眠れなかったと後から聞いた。



楽しいデートの帰り際、台本どおりに彼は私に告白した。
私も台本どおりにOKした。

そして私は思った。
「ここからまた恋愛を作っていくのか」と。

それは嬉しいことだけど、ちょっぴり憂鬱なことでもあった。


未婚の母という事実からわかるように
私は恋愛というものが下手くそだ。失敗ばかりしている。


だから心の底で思ったのだろう。
「この人とはどんなバットエンドを迎えるのだろうか」と。



穏やかな日々 

そんな私の予感とは裏腹に彼との日々は
本当に本当に穏やかに過ぎていった。

お互いなかなか休みが合わず、二人で会えるのは月1回。
娘との時間もなるべく作りたいと言ってくれ、
月1回は3人でお出かけしたり、ご飯食べに行ったりした。


会う回数は少ないけれど、
それでもなんだか不思議と不安も心配もなかった。
それは彼の見えない努力のおかげだなぁと今更ながら思う。

HSS型HSPの気質を持っていると自認している私は
どうしても恋愛に刺激を求めがちだ。
穏やかな毎日に飽きてしまい
自らわざと彼氏との関係を崩すような言動をしてしまうことも
これまで何度も経験した。


でも、不思議と彼との恋愛では
そんな自滅行為をしようという気は起きなかった。

彼が作る凪のような時間と空間が
ただただ居心地よかったんだ。
それをわざと壊してまで刺激を求めようとは思わなかったし
私がいくら足掻いても彼の広い心が
全てを包み込んでなかったことにしてしまいそう。

そのくらい彼は穏やかで暖かくて
そして広い人なのだ。


そしてついに・・・

そんな彼と付き合って約3ヶ月が過ぎた7月12日。

ついにその日がやってきた。

いつも通り娘を学校へ送り届け
その足で彼をいつもの待ち合わせ駅に迎えに行った。
いつも通りの彼。いつも通りの会話。
ただ一つ、彼のリュックがなんだか随分膨らんでいた。


その日は暑かったので海の方へ
ドライブデートすることになっていた。

たわいも無い話をしながら海へ向かった。
そして海に到着。
二人並んで波の音を聞きながらボ〜っとしていた。

すると突然彼がリュックから花束を出し
「結婚してください」と言ってくれた。

私は思わず笑ってしまった。
どうりで今日は随分とリュックが膨らんでいるわけだ。
そして、リュックの中に押し込まれていた花は
この夏の暑さも相まって随分元気を失っていたのもまた面白かった。
だけれど・・・だからこそ彼からの愛は十二分に伝わった。

私はもちろんOKした。
そして彼と出会ってから今日までの出来事を
走馬灯のように思い出していた。

まだたった3ヶ月しか一緒にいない私たち。
走馬灯に描かれる思い出は随分と少ないものだけれど
これからは婚約者という形で走馬灯に絵を足していけばいい。


夏の青空とどこまでも続く広い海を眺めながら
私はこれから始まる彼が隣にいる人生にワクワクと安心感を覚えた。

もちろんステップファミリーという
少し難易度の高い関係性を築いていかなければならないし
娘との関係をもっと深めてから結婚したいという思いはあった。

だから実際に結婚するのはまだもう少し先になるよね。と
二人で話し合った。
でもこれからのことを「婚約者」という関係性で
考えていけるようになる。
これは私たちにとってとても大きな進歩だったし
安心感につながった。





彼に聞いた。
「なぜ私と結婚しようと思ったのか」
彼は言った。
「出会った瞬間この人のウエディングドレス姿が見たいと思ったから」

・・・それって初めて会った時の私の服装が
淡いパープルのロングワンピースだったからじゃない?
お気に入りのワンピなんだけど誰かにも言われたのよ、
「なんだかウエディングドレスみたいだね」って。
まぁ、黙っておきますけど。




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