詩の魔術
「無題」 吉原幸子
風 吹いてゐる
木 立ってゐる
ああ こんなよる 立ってゐるのね 木
眼には閉ざされている風、その不可視によって木を見る。同じく不可視の詩人は、こうして言葉で立ち、そして現れる。
わたしには魔術にしか思えない。自然を見つめる詩人の言葉。叙事がたった三行で詩となる。心臓がわなわなする。
魔術の詩。詩の魔術。
詩の不思議。いや、人間の不思議。
「無題」 吉原幸子
風 吹いてゐる
木 立ってゐる
ああ こんなよる 立ってゐるのね 木
眼には閉ざされている風、その不可視によって木を見る。同じく不可視の詩人は、こうして言葉で立ち、そして現れる。
わたしには魔術にしか思えない。自然を見つめる詩人の言葉。叙事がたった三行で詩となる。心臓がわなわなする。
魔術の詩。詩の魔術。
詩の不思議。いや、人間の不思議。