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樋口一葉

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樋口一葉
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#近代文学

十三夜

かつて google にあった一葉の傑作「十三夜」 のイラスト。当時の上野広小路の森に挑ぐ満月の…

ゆき丸
3か月前
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明治に沈んだある小説家

半井桃水は、東京朝日新聞の記者としてその紙面に通俗小説を連載したいわゆる新聞小説家だった…

ゆき丸
3か月前
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「わかれ道」

哀婉影さす男女の別れの物語、一葉の「わかれ道」、しかしその哀切はただの悲しさに終わらない…

ゆき丸
4か月前

「一葉のポルトレ」を読んで

生前親交のあった文学者、友人や家族らが捉えた一葉についてのポートレイト集「一葉のポルトレ…

ゆき丸
10か月前
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吉原見返り柳を振り返らず

廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈火うつる三階の騒ぎも手に取るごとく 「た…

ゆき丸
1年前

別れの「暁月夜」

その別れは春の暁の月だけが見ていた。 華族名家のうら若き令嬢、その容顔美麗に惹かれた青年…

ゆき丸
1年前
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「にごりえ」にガツンと殴られる

誰しも教科書で一度は読みながら多くの人はそれきりになってしまう樋口一葉。むしろ五千円札の肖像のほうが有名かもしれない。その涼やかで凛然とした佇まいは相当の妙齢美人だが、しかし一葉が生きた時代は自由恋愛などできたものではなく、女性にあっては学問の道とて茨として閉ざされていた。 最近、近代文学を読み直しているが、真っ先に一葉の「にごりえ」を手に取った。三角関係の許されざる恋を一向に許さぬまま、一気に破滅を描き切る。しかし、行く末の覚束ない女心の揺らめきを描く筆はもう見事としか言