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「無題」 吉原幸子 風 吹いてゐる 木 立ってゐる ああ こんなよる 立ってゐるのね …
科学者たちによれば、宇宙は138億年前に生まれたという。光が138億年かけて到達する距離、そん…
ガルシア=マルケスは言う。「愛とは心で感じるもの。距離など問題ではない」と。 吉原幸子の…
詩人、吉原幸子は「愛」と題された小さな一篇を書いている。 海 その底に 藻をぬって 白…
詩集「昼顔」に収められた1篇「復活」、ここで詩人は生きるために愛を殺すと言い、これはあく…
Ⅰから番号が振られた吉原幸子の詩篇「通過」、そのⅥをあらためて読む。 わたしから こころ…
詩人、吉原幸子の一篇「通過Ⅳ」 山の 高いところに ぽつんと一つ 灯がついてゐるのは 人が あそこにもゐるのだ 泣いたり 笑ったりして 幸せは罪ではない これを読んで心の蓋がポッと開いた気がした。都心の真ん中で退屈な日常を暮らしていると、気づきようもなかった命の灯り。無数の涙とたくさんの笑顔、それは命そのものだ。 「幸せは罪ではない」とあるのは、詩人は幸せが有罪か無罪かの問いをもっていたのかもしれない。そしてここに、命という存在の最高裁無罪判定が下る。それを原罪にして
吉原幸子は書く。 おそろしさとは ゐることかしら ゐないことかしら (「無題」) あると思…
詩人、吉原幸子は愛についての詩を多く残している。愛といっても、わたしはその身振りも目つき…
吉原幸子 「瞬間」 海が死ぬ けふも死ぬ 日が暮れる 月が死ぬ けふも死ぬ 夜が明ける 時が…