シェア
詩人、吉原幸子は「愛」と題された小さな一篇を書いている。 海 その底に 藻をぬって 白…
詩集「昼顔」に収められた1篇「復活」、ここで詩人は生きるために愛を殺すと言い、これはあく…
Ⅰから番号が振られた吉原幸子の詩篇「通過」、そのⅥをあらためて読む。 わたしから こころ…
詩人、吉原幸子の一篇「通過Ⅳ」 山の 高いところに ぽつんと一つ 灯がついてゐるのは 人が…
吉原幸子は書く。 おそろしさとは ゐることかしら ゐないことかしら (「無題」) あると思…
詩人、吉原幸子は愛についての詩を多く残している。愛といっても、わたしはその身振りも目つき…
吉原幸子 「瞬間」 海が死ぬ けふも死ぬ 日が暮れる 月が死ぬ けふも死ぬ 夜が明ける 時が死ぬ けふが死ぬ 人も 死ね 惜しげなく いくたび死んで 時がまたくる 死ぬ海の 死ぬ月の うつくしさ 色あせず 暮れもせず のこるなら 人だけが 醜くからう 人も 死ね 三連と最後の七連の結句、人も 死ねがあまりに呆然とさせる。ひとマスの空白は、一瞬の躊躇いか、それとも意を決するための最後のパウゼか、私はこのひとマスに一気に吸い込まれる。題は「瞬間」とある。 何度読