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絶対忘れるながやめられない 21

前回のお話はこちら

2017.1.7
運命のオーディション翌日。
that's all folks さんと共にBAYCAMP出場権を得たぜわす。出演できることそれ自体への喜びもひとしおだったが、それとは別にメンバー内で大変喜ばしいことがあった。それは…

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アルバ伊藤さんの解禁である。

どういうことか。アルバさんは実は、自分が「絶対忘れるなのメンバー・アルバ伊藤」であることをこれまでずっと周りに公表していなかった。オタク活動を通じてたくさんの仲間がおり、恋汐ふぁみりの長男としての立場もあった当時のアルバさんにとっては−きっと色々な事情や弊害を考慮してのことだろう−ぜわすは「伏せておいたほうがよいもの」だった。「絶対忘れるなのテーマ」のアルさんバース「顔は出さない コメントで口出す」でもそれが語られているし、実際「アイスクリームポップアップトゥギャザー」のMVまでは顔を出していなかった(汐りんには秒で気づかれてたけど)。

仕方ない。仕方ないことなのだがしかし、メンバーとしてこの事実がじわじわと切なかった。「我々は実生活では隠されるべき存在なのか…」というさみしい気持ちが少なからずあった(といいつつピーチジョン万次郎さんとか益若つばめくんとかは別に全く気にしてなかった気もする)。

それが、今回のBAYCAMP出場決定のニュースで一部の耳の早い仲間に感づかれたらしく、観念して(?)公表を決意したのであった。突然の解禁にたくさんの驚きと祝福のコメントが寄せられているところからもアルさんの人望の厚さが見て取れた。

喜びを表現する志賀メンバー。

わかる。

そこからの展開もすごかった。アルバさんのお仲間はさすがフットワークが軽く、ありがたいことにかなりの方たちがぜわすの曲をチェックしてくれたり、ライブに足を運んでくれたのだ。それだけではない。なんと一年を通してぜわす現場への全通(※すべてのライブに来てくれること)を果たした猛者もいた。自称「ぜわす全通おじさん」であるところの彼(セルラ注:シュッとした素敵なお兄さんです)をはじめ、アルさんのオタク仲間の皆さんの存在にはすごく支えられた。

ただ、いくらアルさんが好かれているからといって、友達がやっているからというだけではなかなかそうはならないとも思う。いろんな良現場を見て目が肥えているオタクの方たちは、最初はご祝儀的な気持ちだったり、どんなもんだろと思って見に来てくれたとしても、良いと思わなければもうそれ以降興味を持つことはない。なぜなら日々足を運ぶべき現場がたくさんあるからだ。だからこそ、そんな方たちが「ぜわすいいじゃん!」と思ってライブに来てくれることがすごく嬉しかったし、自信につながった。「ぜわすは良いなあ」「志賀さんの才能を野放しにしてはいけないなあ」といった勝手な思いで2009年からやってきていたけど、この頃くらいからそう言ってくれる方の数がとても増えた。自分が良いと思ってるものについて「やっぱりそうだよね?」と確信を深めていけることの幸せは、けっこう得がたいものかもしれない。

義理堅い男、アルバさん。

2017.1.12
ここにも推しに会いに行っていた男がいた。

「校庭カメラガール」のうぉーうぉーとぅーみーさんに思いがけない認知をされており喜ぶ志賀さん。推しをのぞく時、推しもまたこちらをのぞいている…のかもしれない。

2017.1.16
改めて、BAYCAMPの出演陣が豪華でびっくりする。知っている人がたくさん。志賀さんすいちゃんの大好きなフレンズ、Awesome City Club、Creepy Nutsパイセン、imaiさん、ハバナイ、MOROHA、玉屋2060%さん率いるWienners、識者に注目されはじめていたホットな存在のリーガルリリー、他にもたくさん。すごいところに出るのだなあ。

2017.1.22
さて、BAYCAMPまで気づいたら1週間を切っていた。

「またそのパターンかよ…」と思われた方には申し訳ないが、またそのパターンなのである。スーパー繁忙期マンの志賀ラミーさんはBAYCAMP当日は仕事、翌日も仕事。というわけでタイムテーブルによって志賀さんが出られるか、次の日仕事に無事行けるのか(「行かない」という選択肢はもちろんない)、ということが大きく左右されるのだ。ただ、当時ベイキャンプはオールナイトイベント。青木Pには出られる時間が夜帯だということは伝えている。きっと自分たちの出番を深夜にしてくれるだろう、そんな期待があった。深夜になればなるほど志賀さんは翌日の出勤がハードモードになるのだが、それでも志賀レスで出ることに比べたら、(志賀さんには申し訳ないが)何百倍もいい。あれだけ多くの人が出るフェスなのだ、調整が大変なのは当たり前である。我々はこの状況に慣れてきたのもあって、祈るように静かに待った。

2017.1.23
待ちに待ったタイムテーブル発表!!

ぜわすはA'TTICステージで21:30から。オールナイトイベントにも関わらず、めちゃめちゃ良い時間帯にしていただいている。これには良い意味で予想を裏切られた。そして、ぜわすのあとを見ると…

そう。メインステージで21:50から「忘れらんねえよ」さんの出番が控えていたのだ。前々回のがんデモ二次審査の際、劔さんがぼそっともらしていた「忘れらんねえよと名前が似てますねえ」というコメントが青木Pの記憶に残っていた上での粋なはからいかもしれないし、偶然の可能性もある。ただ、この出順だったことで無名の我々がベイキャンプに興味を持つお客さんの一部に着目されたことは間違いない。エゴサに全く引っかからないし、話し言葉ゆえ微妙に間違えられがちなこの「絶対忘れるな」というネーミングがはじめて活きた瞬間だった。

また、仕事にサンドイッチされたハードモード志賀さんも出られそうで一安心。

(※「スナック藤」はセルラが一時期アルバイトしていた飲み屋。現在は閉店。)

2017.1.24
仕事しつつ、そわそわしながらベイキャン当日に備えた数日間。

2017.1.26

「禁ビール」以外の備え方しか知らないところが残念(2020年現在、変わってない)。

2017.1.27
ベイキャン前日。セルラはwebメディアKAI-YOUの新年会で、異才のラッパー・ハハノシキュウさんのライブを初めて見ていた。

ハハノシキュウさんがKAI-YOUで連載していた「読むだけで口喧嘩が強くなるコラム」を愛読していたこと、また記事に掲載されていたご本人の写真でセルラが企画・販売をしていた清野とおるさんの『ウヒョッ!東京都北区赤羽』のTシャツを着ているのを見て驚いたこともあり一度お話ししてみたいと思っていたのだった。シキュウさんは突然話しかけてきた謎のTシャツ屋に対してとても気さくに接してくれた。しまいには「自分もラップグループをやっていまして…」などと聞いてもいない個人的な話をしはじめてアルバム「to the 世間」までお渡ししたのに嫌な顔ひとつせず(髪で隠れていたので実際のところどんな顔をしていたかは不明だが)「え、すげーっすね」と受け取ってくれたのだった。
これを機にセルラはシキュウさんの公式グッズ販売のお手伝いをさせてもらうことになったり、ぜわすがシキュウさんのワンマンライブのオープニングアクトを務めさせていただいたりと、色々なところで彼とは頻繁に関わっていくことになる。

さてさて。

いよいよ人生初フェスは目前だ。

間違いなくこの日の出演者の中でトップクラスの無名さを誇る我々を待ち受けているのは希望か、はたまた絶望か。ぼんやりとした期待と不安を抱えながら一路、川崎クラブチッタへ。

つづく。

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セルラ伊藤
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