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絶対忘れるながやめられない 22

前回のお話はこちら

2017.1.28

まごうことなき晴天で迎えたBAYCAMP当日。
総合プロデューサー、青木さんも期待に満ちたツイートをされていて、気が引き締まるとともに胸が高鳴る。



胸が高鳴…
ん?

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んん?

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なぜ総合Pが全体向けにツイートしたタイムテーブルの中で、我々と同じく「がんばれデモテープ」でベイキャン進出を果たしたthat's all folksの出番のところだけラインが引かれ可愛いキャラクターが貼られているのだろうか…(ぜわすの隣にも可愛い犬がいる)。

答えはここにあった。

青木P、りょさん(that's all folks)の告知画像まんま使っとるやんけ。

本来タイムテーブル画像を提供する側の青木P、おそらくたまたまタイムラインで目にしたであろうりょさんの画像をとりあえず保存して転用したのだろう、総合プロデューサーなのに一出演者(しかもオーディション枠)をすごく推しているかのようになってしまっている。素晴らしいアーティストさんたちが名を連ねるこのフェスを統括している長が本番当日に発揮するこの天然さに、翠れんさんとわたしはひそかにめちゃくちゃツボっていた。

夕方

仕事の志賀さん以外のメンバーは川崎クラブチッタに到着した。はじめての関係者口から入り、階段を上がったところにある個室タイプの楽屋に通された。そもそも個別楽屋がたくさんあるタイプのハコなんて来たことないのでドキドキする。それぞれの楽屋のドアには出演者さん名前の張り紙がある。よくテレビで見るやつだ。通路にはペットボトルに入ったドリンクやコーヒー、なんと大きな鍋に入ったカレーと炊飯ジャーまで用意してあるではないか。我々は庶民丸出しで「これ全部無料なの?マジ?」と感動をあらわにした。

ぜわすの楽屋はTENDOUJIさん、DJダイノジさんと一緒らしい。TENDOUJIさんは16時台、ぜわすは21時台、DJダイノジさんは深夜3:45のクロージングと出演時間がそれぞれバラけていたのでこういう組み合わせになったのかもしれない。

出番までは化粧をしたり、出演者さんのライブを見たりして過ごした。広々とした二階席からメインステージが見渡せたのがすごくよかった。ナードマグネットさんを少しみたあと、ぜわすの出るA'TTICフロアに移動した。

宗教法人マラヤさんをこの時はじめて見た。鎌田紘子さんのややウイスパーで可愛らしい歌声とパンチのありすぎる曲のギャップにやられたわたしは、このあと「仏像殺人事件」をそらで歌えるくらいハマった。

20時前、志賀氏が会社から到着。

志賀さんは楽屋にいたTENDOUJIさんと話した際、「会社→チッタ→会社ってやばいっすね」と言われたそうだ。
(ちなみに志賀さんが到着したとき、ぜわすの面々は「出番前に青木さんと軽く打ち合わせを」的なことを誰かに言われて青木さんを探して会いに行っていた。そして広いチッタを走り回ってようやく見つけた青木さんに話しかけたら「何しに来たの?」みたいな感じでポカンとされたのでそのまま帰ってきた。あれはなんだったんだろう…)

二階席からまたライブ鑑賞。「スサシ」ことSPARK!!SOUND!!SHOW!!さんがすごく盛り上がっていた。そのあとはアルバム「助演男優賞」リリース直前のCreepyNutsパイセン。

松永さんのパフォーマンスとRさんの聖徳太子フリースタイルがチッタの広いステージで存分に繰り広げられていた(今調べたら「合法的トビ方ノススメ」って2016年時点でもう出てたんですね…)。

そうこうしてるうちに21時半になり、あっという間にぜわすの出番がやってきた

正直なところ、お客さんが来てくれるのかどうか不安で仕方なかった。そもそもメインステージ目当てのお客さんが大部分であることはラインナップからも想像に難くない。BAYCAMPサイドの計らいでメインとA'TTICのアクトの時間が被らないようにしてもらっていたけれど、何せオールナイトのイベントである。体力を温存しておきたい人も多いはず。フロアはガラガラ、休憩がてらお酒を飲みに来た人がステージをチラ見するだけのシラーっとした空気で終わる可能性も全然あると思っていた

そんな不安を胸に抱えつつも、やるからには楽しむしかない。つーちゃんがステージより少し上の離れたところにあるDJブースから「絶対忘れるなのテーマ」のイントロをループで流し始めたのを合図に、裏でマイクを渡された我々がぞろぞろとステージに上がる。

そこで一番に口を開いたのは志賀ラミーさんだった。

その時の映像がこちら。

持ち時間は20分。4曲やるためMCの時間がほとんどなかったが、会場にいる99パーセントの人が知らないであろう我々がなんでここに立っているのか話しておきたい気持ちがあった。でも普通に説明するのでは芸がないということで、志賀さんが冒頭にフリースタイルをするという形にしたのだった。志賀さんがテーマでこんな風にラップしたのはあとにも先にもこの時だけだと思う。

この動画を見てもわかるのだが、驚いたことにしょっぱなからかなりお客さんの反応が良かった。 友人が何人か応援に駆けつけてくれたのだが(本当にありがとう)、最前にいたのは知らないお兄さん、お姉さんばっかりだった。にも関わらず「誰?」みたいな空気が会場に漂っていない。ぜわすを観に来るために来たとは思えない人たちが、メインステージだけでおなかいっぱいになってもおかしくないラインナップのこのイベントで、お酒を飲みながらなんだかよくわからないけど楽しそうにライブを見てくれている。気づいたらタテに細長いA'TTICのフロアがうしろまでいっぱいになっていた

「テーマ」「身体の使い方がおかしい」を続けてやったあと、翠れん・セルラの「名前だけでも覚えて帰ってください(通称なまおぼ)」で「アイスクリームポップアップトゥギャザー」を披露すると、アルさんのオタク仲間の人たちがミックスやコールで先導してくれたおかげで一段とフロアが盛り上がり、楽しそうに手拍子をしながら跳ねている人がたくさんいた。ラストの「まさか覚えててくれたなんて!」では、フロアの多くの人が最後のフックでメンバーと一緒に手を左右に大きく振ってくれた。
あっという間の20分間だったが、ものすごく楽しかった。

(オーディションライブで「街灯」だったつーちゃんはもはや我々を真上から照らす「太陽」と化していた)

ちなみに冒頭の様子を撮影してくれたのはez do dan子ちゃん。サムライのオーディションライブにも来てくれて、本番も見届けにきてくれた優しいdan子ちゃんである。そしてこのとき、志賀さんはdan子ちゃんのラップをサンプリングしていた。

ライブ後、即座に公式サイトにも写真が掲載された(まだ見られました)。

22時半からは一本ライブを終えてからベイキャン出演というハードなスケジュールのthat's all folksさんのしっとりグッドミュージックなステージを見た。

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会場にはがんばれデモテープ主催の「パーフェクトミュージック」から、当時の社長なりまんじさん、おなじみ張江さん、天野さん、そしてなんとぱいぱいでか美さんが応援に来てくれていた。

ワインまで差し入れてくれるというお心遣い。なんて素敵な女性なんだ…。楽屋で一緒におしゃべりしながらカレーを食べた。でか美さんのオタクで現場にも通っているりょさんは完全なるドリカム案件である。

深夜

出番も終えビールを解禁したセルラは、A'TTICでダイノジさんブースのごまだしうどん(おいしい)を食べたり、お客さんに「あ!さっきライブ出てたコレステロールの!」と話しかけてもらったりしながら楽しく飲んでいた(こんな脂肪つながりの間違えられ方をしたのは後も先にもこのとき以外ない)。

そして、夜も酔いも深まってきた折にスタートしたcabbage boyさんのDJタイムがあまりに楽しすぎた。楽しすぎて無人のステージに上がって踊りスタッフの人に怒られるという、困ったお客さんがよくやるやつを出演者のくせにやっていた。

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良いグルーヴ生んでたならいいか…(よくない)

こんなことは人生ではじめてだった。フェスに出たという大きな経験と引き換えに、わたしは何か失ってしまったかもしれない。

ご自身の出番の最中に厄介な酔っ払いムーヴをかましたにもかかわらずとても優しいcabbage boyさん。

アッパーな人…。

怒られたにも関わらず図太くA'TTICにいつづけたわたしは、その後のTOKYO HEALTH CLUBさんの格好良すぎるライブに(ヘッズ風に言うと)完全に「くらって」いた。それから数年、あんなラップがしたいと思いつづけてきたけど無理そうなので来世はOMAKECLUBから音源を出すことを目標に頑張りたい。

そんな感じでセルラが酒と音楽に溺れてイベントを満喫していたころ、つーちゃんは楽屋でダイノジ大谷さんとりょさんとずっと話していたらしい。W-indsの話で盛り上がっていたようだ(りょさんは空気的に楽屋を出るに出られなかったらしい)。後につーちゃんはおそらくその時の話がきっかけでダイノジさんが主催のW-inds関連のイベントにDJとして出演していたのでなんかすごい。

万次郎さんはMOROHAさんに感銘を受けていた。

最後はメインステージのヘッドライナーのWiennersさんを見て大盛り上がりした。

あつかましくもWiennersのみなさんとCDを交換して写真を撮ってもらった図。

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そんな感じで朝まで楽しんで、みんなで富士そばに行き朝ごはんを食べて帰った。大阪からわざわざ見にきてくれていたがんデモファミリーでロシアンズのさわいくんもいた。志賀さんはその足で仕事に行った。本当におつかれさまでした(画面右下がさわいくん)。

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かくしてぜわすのフェス出演は幕を閉じた。
セルラの感想はここに書いてあるとおり。「楽しかったし嬉しかった」という小学生並みの感想で申し訳ないが、本当にこれに尽きる。

30歳でフェスに出られて、
知らないたくさんの人たちの前でライブできて、
こんな気持ちになれるなんて。
「がんデモ」に応募してほんとうにほんとうに良かった。

パーフェクトミュージックの皆さんとの関わりは、ここをスタート地点にまだまだ続くことになる。

さて、応援にかけつけてくれたのはdan子ちゃんの他に、最終審査への危ない橋をギリギリ渡らせてくれた漫画家のエトーさん(「19」参照)、アイスクリームポップアップトゥギャザーのMVを撮ってくれたunageekの二人、セルラへの誕プレをわざわざ持って来てくれた大学時代の愛する女友達たち、仕事つながりのお知り合い、そして数少ないぜわすのファンの方々など、多岐にわたっていたのだが、その中には解禁ほやほやのアルバ伊藤さんのオタク仲間の方達もいた。

その中のとある人物が、後に今のぜわすのスタイルの礎を作ることになるとは、その時は思ってもみなかった。

つづく。

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(おまけ)
すごく嬉しかった感想。

こんな声も。


(おまけ2)
BAYCAMPの公式サイトに掲載された当時のぜわすのプロフィール。

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(おまけ3)
つーちゃんに撮ってもらったらりょさんとの楽屋チェキ。引きすぎて上部に謎の空間。完全に家族写真になっている。

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(おまけ4)
ベイキャンTシャツ

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セルラ伊藤
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