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目指した理由は頼りなくても、充実した医師人生を送ってます

まじか。何を書こう。多分、期待されてる内容じゃない。

「医師を目指した理由をまとめると、自己紹介代わりのnoteになると思います」

そうアドバイスいただいたときのぼくの本心です。それも、竹村俊助さんという、顧問編集者としてご活躍されている方からのご提案です。竹村さんのご著書を通じて発信のコツを学ばせていただいている身としては、このnoteでしっかりお応えしたいと思いました。

ただ、正直に言うと、「この経験がきっかけで医師を志した」とか「医者になるべくしてなった」という、ドラマチックなエピソードはありません。ぼくが知る限り、そんな話を持っている方はごく一部です。そこで、ありのままの、リアルな医師の一人として、ぼくのこれまでを振り返ってみることにしました。

医師は身近な存在だった

祖父をはじめ、親戚に医師が何人かいました。彼らが医師として働く姿を直接見る機会はほとんどありませんでしたが、幼い頃から医師という職業は割と身近な存在でした。その影響もあってか、幼稚園の「将来の夢」というテーマの絵では、医師を選んだ記憶があります。ただ、その時点で本気で医師を目指していたわけではなく、それ以降も進路について深く考えずに過ごしていました。

時は進み、高校2年生になる直前。理系か文系かを選択しなければならないタイミングが訪れました。当時、将来の進路が明確でなかったぼくは、「医学部を勧める周囲の空気に逆らいたい」という理由から文系を選ぼうとしました。一方で、「資格があれば将来安心だろう」とも思い、文系で資格を取る選択肢も考えたものの、自分がその仕事をしているイメージが湧きませんでした。逆に、医師という職業に就いた自分はなぜかしっくりきたのです。結果として、医学部進学を目指し理系を選択しました。今振り返ると、親戚という身近な環境に医師がいたことが、この選択のきっかけになったのかもしれません。

働き始めて感じた充実感

「え、これで終わり?」と思われるかもしれませんが、他の医師に聞いても案外こんなものです。ただ最初こそ「なんとなくしっくりきた」という頼りない理由で選んだ医師の道ですが、実際に進んでみるとその奥深さに惹かれました。

特に興味を惹かれたのが集中治療でした。初期研修1年目にICU研修を受けた際に、ダイナミックな病状変化に速やかに対応し、命の危機にあった患者さんの回復をサポートできることに、大きなやりがいを感じました。2年目でもICU研修を選択し、自分の思いに迷いがないことが確信しました。その後、3年目から救急・集中治療医としてトレーニングを積み、6年目以降は集中治療一本でキャリアを歩んできました。今では、胸を張って好きだと言える仕事に就けたことを本当に幸せに感じています。理系を選んだ20年前の自分を褒めてあげたいですね。

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小谷祐樹
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