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1日10冊読み聞かせをして気づいたこと#20

「絵本の読み聞かせをするといい」という話は子育てが始まる前から聞いたことがあった。

ただ、出産してから気づく。
ん?いつから読み聞かせればいいの……?
赤ちゃんに読み聞かせしたって話がわからないんじゃないか、と。

そんなわたしが、1日10冊の読み聞かせを始めた経緯と、気づいたことをご紹介したい。

絵本の読み聞かせはいつから?

以前の記事にも書いたが、わたしは実家は宮崎、現在は熊本市に住んでおり、近くに頼れる人はいない状況だ。


つまりは、気軽に遊びに行くような人もいない。
そんなわたしを気遣った夫が、「行ってみるといいんじゃない?」と勧めてくれたのは「Baby Kumon」だった。

Baby Kumonは知らなかったのだが、公文式のことは知っている。

ちなみに後で知ったのは、「公文式」学習指導法の考案者である「公文公」は"くもんとおる"と読む。
公文、という言葉が苗字だったことにも、「公文公」という名前の珍しさにも驚いた。

Baby Kumonとは0歳から始められる親子のためのKUMON。
いやいや、0歳から始めるってどうなんだ、って思うかもしれない。

が、Baby Kumonの内容は、月1でテキスト(絵本)がもらえて、同じく月1で教室にて先生と振り返りをするもの。今月何してた?とか大きくなったね、みたいな雑談だ。

バリバリお勉強!という方針ではなく、どちらかというと親子で対話しましょう、という雰囲気。

夫も子供に学習をさせたいというよりも、わたしの気分転換にもなるだろうと勧めたらしい。

それに初めての子育てはどの絵本を買えばいいのかわからない。
子育ての不安を誰かに聞いてほしい、と思って長男が3ヶ月の頃からBaby Kumonに通いはじめた。

担当の先生には率直に、
「いつから絵本を読み聞かせするといいんですか?」
と尋ねたところ、
「いつでもいいですよ。今からでも!」という返事をいただいた。

今からって3ヶ月のこの子に?と思っていると、続けて先生は、
それにね、1日10冊読み聞かせすると頭の良い子に育ちますよ〜!」と。

1日10冊!?頭の良い子……!

頭の良い子に育つかどうかはわからない。
しかし、良いに越したことはない。頭がよかったらわたしももっと文才があったはずだ。
うーん、でも10冊も読むことができるかなぁ。

Baby Kumonに入会すると、何歳ではこの本がおすすめという一覧表をいただいたので、読み聞かせをする気になって図書館へ向かった。

実際に生後3ヶ月くらいから本を読み聞かせし始めたのだが、「本当に聞いているのかい?」と思うような赤ちゃんの態度が、5ヶ月くらいの時には絵を見つめてじっと話を聞いているようだった。

ぐずったときには、サッと絵本を取り出して読み聞かせすると泣き止む。思いもしない場所でケラケラ笑う。
そんな様子を見ていると10冊の読み聞かせもあまり苦ではなかったので、1歳になるまで継続した。
365日の300日は10冊ずつ読み聞かせをしたと思う。

余談ではあるが、Baby Kumonでもらえる絵本はおそらく販売されていないのだが(多分ね)、どの本も名作だ。

「くろくまくん」という公文のキャラクターが出てくる本も子供は大好きだし(このキャラが出てくる別の絵本はくもん出版から発売されている)、ママ向けの絵本はホロリと涙が出てくるような、優しい気持ちになれる絵本が多い。

絵本を読む時間は心の財産に

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長男に1日10冊の読み聞かせを1年間続けて、気づいたことは以下の通りだ。

・4歳の今でも本がだいすき
・一人で本が読める
・図書館や本屋に行くのが何よりもすき
・わからないことは図鑑で調べようとする
・今でも読み聞かせをすると嬉しそうにする
・読み聞かせをする時間が、わたしも子も好きな時間

本を読む、ということは自分の知らない世界や知識に出会うことができる宝だとわたしは思っているので、本を好きになってくれたのは嬉しい。
4歳になってからはひらがな・カタカナはすべて読めるので、ひとりで本を読むことができるのも助かる。

しかし、字を読むことはすんなりいったが、長男は話し始めるのは遅かった。
年少々で幼稚園に入園したときに、あまりにも周りの子との言葉の差があり、心配になって検査を受けたことがあり、言葉の発達では月齢の2歳半に対して言葉は2歳くらいだと言われた。

理解力があったので検査はギリギリ問題ないですよ、とのことだったが、本を多く読んでいるからといって言葉が早くから出るようになるとは限らないと思った。

かたや現在、2歳半の次男は、ろくに読み聞かせができていないのに既に三語文を話すほど。
読み聞かせは1日1冊読めたかな、くらいだったのにペラペラと話している。

これをしたから絶対大丈夫、ということはない。
実際に頭の良い子になるのかどうかもわからない。そもそも頭の良い子ってなんだろう。

1日10冊の読み聞かせをして本当に良かったと思っている。教えてくれたKumonの先生には心から感謝している。
わたしも相当数の絵本を知ることができたし、絵本の世界は想像以上に奥深いものがあった。
長男が文字を早くから読めたり苦労しなかったのも、次男の言葉が早いのも読み聞かせのおかげかもしれない。

しかし、言語能力や識字能力に良い影響を与えるかということよりも、絵本の読み聞かせは親子の絆を深めることのできる貴重な時間なのではと考える。

ワクワクするような面白い話を、我が子に読んで聞かせる。
普段は口にしないような美しい日本語で、我が子に物語を読んで聞かせる。

膝の上に抱っこして、一緒に寝転がって、肌をくっつけて、絵本の世界に一緒に旅する時間が、豊かな心を育てていくのだと思う。

1日に10冊ではなくても、1冊でもいい。
面倒だなと思って読んであげる10冊より、心を込めた1冊を読む。
絵本を一緒に楽しむ時間が、子供にとって大きな心の財産になるのだとわたしは信じている。


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