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企画室【森下周子】
2019年9月2日に下北沢ハーフ・ムーン・ホールにて行われるコンサート「身体の先を見る」に関連した、ちょっとしたコラム。ゆきちか続編です。企画室最後の記事タイトルは、森下周子。コンサートで、ヴァイオリンとチェロのための新作を発表します。お楽しみに。
企画室【どんなコンサート?】
企画室【身体性の先を見る】アアロン・キャシディ①
企画室【身体性の先を見る】アアロン・キャシディ②
企画室【身体性の先を見る】リザ・リム①
企画室【身体性の先を見る】リザ・リム②
企画室【身体性の先を見る】ユルク・フレイ
企画室【身体性の先を見る】シモン=ステン・アナ―セン
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....(時間は遡り、2019年5月末の二人の会話より)....
わたなべ:今どんな曲書いてる(5月末時点)?
森下:いまは論文と、7月初旬に演奏してもらうトリオ。曲はすごいシンプルなんだけど、記譜をどうしようかなあって幾つも試してて。
わたなべ:どういうノーテーションを使ってるの?
森下:タブラチュアと既存の五線譜を混ぜたものって言ったらいいのかな。そういう書き方(タブラチュア方式)でしか作れないパフォーマンスがあるっていうのを最近よく思ってて。
わたなべ:周子はとにかく演奏家との関係を大事にするよね。記譜を試してるのも、そういうのに関係ある?
森下:うーんわたしが作りたいのって、ざっくりいうと「空間の質」なんだよね。「緊張感」とか「インテンシティ」とか「ダイナミズム」と呼ばれるもの。だから「演奏家がどのような(内的)状態で、どのように身体を動かすのか」ということは、「どのような響きが鳴るのか」と同じくらい(あるいはそれ以上に)大切。
わたなべ:それが、タブラチュアってことなのかな?
森下:そうだね、優先順位をはっきりさせたいっていうのがある。前にもゆきこちゃんが「作曲家はピッチか時間のどちらかを軸に考える」的なことを言ってて私が猛反対してたでしょ?(さっきょく塾「身体と作曲」思考論参照)ノーテーションを開発する目的のひとつに、そういう既存のしきたりや思い込みから自由になりたいっていうのはある。
たとえばピッチよりアーティキュレーションが大事だったり、リズムは時計的な数値計算ではなくフレージングを作るためのガイドでしかなかったり。そういうのは自由に決めていいわけじゃない?
わたなべ:なるほどね〜。【身体性の先を見る】コンサートでの新作も、そういうフォーマットで書く予定?それとも、何か別のアイディアが?
森下:どうだろう...(笑)わたしはとにかく、室内楽に関してはほぼ「当て書き(作曲段階で特定の演奏家を想定して書くやり方)」することがほとんどなのね。だけど愛季さんとかりんさんとやらせて頂くのは今回が初めてだから、自分のなかで音が像を結ぶようになるには少し時間がかかりそう。そういう場合はリハーサルに入った時点でどんどん作り変えていくことが多い。今回もそうなると思う。
森下・わたなべのふたりが講師をつとめるProject PPPの三日間のコンポジションアカデミーは2019年は9月2〜4日に開催予定。オンナ作曲家の部屋vol.2、稲森安太己によるゲストレクチャー、森下新作を含むVln&Vcコンサート、グループディスカッションなど。
9月2日(月)、下北沢ハーフ・ムーン・ホールにて行われるオープニングコンサート「身体の先を見る」では、中山加琳のバイオリンと、北嶋愛季のチェロで、アーロン・キャシディ、ユルク・フレイ、リザ・リム、シモン・ステン=アナーセン、そして森下周子の新作をお届けします。
お得な前売りチケット(3000円)のお申込みはこちらから。
※コンサートを含めた三日間のアカデミー、受講申し込みは8月25日(日)締め切りです。一日のみの受講も承っております。ふるってご応募ください。詳細内容は以下ご覧ください。
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