既存作品からの創作vol.1
「様々なカラーや質感をどう書くか」をテーマにしたシリーズコラム。「音のイメージからどうやって質感を作り出すのか」に焦点を絞ってシリーズで書いています。
4月から始まる後期で扱う作曲理論/オーケストレーション/形式などのエクリチュールの類。「エクリチュールって創作に必要なの?」「理論を知ることで何が変わるの?」「それって何が面白いの?」そんな疑問を持ったことはありませんか。この楽器法ミニコラムでは、来期に先立って「既存作品からの創作」と題して幾つかの作品を取り上げつつ、理論と創作の関係について少し考えてみたいと思います。
今回取り上げるのは、ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez)のノタシオン(Notation)という作品です。この作品は、もともと12曲から成る短いピアノ曲集として発表されましたが、本人によるオーケストラ完全版が完成していないことについて、ブーレーズはこう語っていました。
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