楽器法ミニコラム②「カタカタ」vol.3
「様々なカラーや質感をどう書くか」をテーマにしたシリーズコラムです。楽器法ミニコラム②「カタカタ」第三弾。ピアノのプリペアド奏法、内部奏法などを中心にまとめています。vol.1では、初期のプリペアド・ピアノ作品について、そしてvol.2ではここ2000年以降のプリペアド・ピアノ作品を、vol.3はその中でもロシア人作曲家エレナ・ルイコワ(Elena Rykova)の作品を取り上げます。今年最後のさっきょく塾note記事です。
エレナは、1991年ロシア生まれの作曲家です。モスクワで勉強した後、ドイツ・ケルンに留学し、現在はアメリカ・ハーバード大学でPhDを学んでいます。楽譜をピッチではなく、イラストと文字のみによって書かれた楽譜から生み出される繊細な音響世界は、彼女の音楽の一つの特徴でもあり、様々なフェスティバルで多く演奏されています。
まず最初に彼女のピアノ曲について、幾つかを挙げてから、新作のピアノ作品(内部奏法を含む)について書いていきます。まずは、Bat Jamming。2015年に書かれた作品です。
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