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楽器とは何か。

自分で設定しておいて何ですが、なかなか難しい質問…。

いつも答えを全く考えずに先に質問を設定するので、凄く悩みながら書いています。よし、少し遠回りになるけれど、書き進めよう(実のところ答えは二の次で、これをきっかけに思考し続けることが大事)。

いつだったか、作曲家のハヤ・チェルノヴィンに言われてそれ以来心に留めている言葉があります。作曲家が思い描くその一つ一つの「音楽」は、本人が把握しているより実際は広大だと。自分が書こうとする音楽を彼方先まで見通せているんじゃなくて、その一部しか見てないことがある。

どうしたら見えるようになるんですか?

と尋ねたら、答えはとてもシンプルで「待つだけよ」と。「音を書き始めるまでの時間をもっともっととりなさい」と。


言われたときは理解できなかったけれど、経験から最近それがわかるようになってきたような気がするんです。楽器でもごみ箱に入ってたガラスでもキッチン用品でも、それと同様に、その物体自身が香ってくるのを信じて待つ、ことが重要なんじゃないかと。香ってきた匂いは何かの香水のようなもので、好きか嫌いか頭で考えるより早く瞬時にかぎ分けていけるし、そこから構築していく作業ってもう自然と上手くいくと思うんですよね。ただねこの「待つ」ってシンプルな行為なんだけど、案外出来ない。待てなくて書いちゃう。

よく小説を書くときに登場人物が勝手に動き出すっていうんだけど、そういう感じかもしれない。そういうモノが持つ意識を大事にしたいと思うんです。

なんだかまとまらない、非常に感覚的な話になってしまってすみません。皆さんはいかがでしょうか。

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わたなべゆきこ / 作曲家
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