見出し画像

持続可能な音楽活動のための往復書簡第三回(わたなべゆきこ)

この連載は「ドイツにいるわたし」⇔「日本にいるあなた」の間で行われる往復書簡です。対岸は、ピアニストで作曲家の山田亮さんにお願いしました。「今ここ」にある何か、を書き記していきたいと思います。

山田さんへ

わたなべさんはオンラインレッスンだけでなく、さっきょく塾仮想音楽家レジデンスなど興味深いWeb上の企画をされています。そのような活動を通して何か気づいたことなどありますか?音楽家の活動の場としてWebの割合が増えていくと、どういう事が起こるのでしょうか?(山田)

東京でも、緊急事態宣言が出されましたね。小さいお子さんを抱えながらのホームオフィスは、なかなか大変だと思います。

オンラインならではの良さ、またオンライン化に伴って変わっていくこともあると思います。多様性を重んじるのであれはオンライン、オフラインでも良い。ご近所のピアノ教室に通うとか、海外の先生にオンラインで通うとか、両方あったらいいな、と思いますね。「オルタナティブな方法が沢山ある世の中のほうが暮らしやすい」というのが、何となくの持論です。ほら社会人になって会社から帰ってきて、すこーしだけピアノに触れたいっていう人もいるじゃないですか。そしたら、オンラインのほうが時間も場所も融通が利くし、良いと思うんです。

ここからは山田さんの質問に対して、二つ別の角度から見ていきたいと思います。質問意図と離れてしまうことをご容赦ください。私がこれから書くのは、「音楽家として、この社会で何かを教示すること」という大きな括りの話です。どちらとも「教える側の態度」と関係することです。

ここから先は

642字

¥ 100

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

若手作曲家のプラットフォームになるような場の提供を目指しています。一緒にシーンを盛り上げていきましょう。活動を応援したい方、ぜひサポートお願いします!