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さっきょくワークショップ内容

2019年9月2日から始まる、三日間のコンポジションアカデミー。

初日の「中堅女性作曲家会議」「身体性の先を見る」に続いて、9月3日、9月4日の内容について説明していきます。

この二日間は、秋葉原の会議室を二日間みっちり使って、ディスカッションメインの講座を行います。メインは「ゲスト講師レクチャー」「グループディスカッション«楽譜の書き方、これあってる?»」「さっきょくワークショップ」です。「楽譜」をテーマに、それぞれ別のやり方で、思考していきます。

ゲスト講師レクチャー

ゲスト講師は稲森安太己さん。ドイツを中心に活躍されている作曲家です。

今月末の8月31日にサントリーホールで行われる「芥川也寸志サントリー作曲賞」でも作品がノミネートしています。稲森安太己レクチャーでは、彼の音楽について、また楽譜への美学についてもお伺いする予定です。いつも、伝わる楽譜を書いている稲森さん。ソロ、室内楽、そしてオーケストラやオペラ。それぞれに適した「楽譜」があります。その技術や実際的な書き方についても、お聞きしたいと思います。

グループディスカッション«楽譜の書き方、これあってる?»

受講生の皆さんには、作品を持参いただきます。何の作品でも構いません、器楽曲、声楽曲、エレクトロニクス、劇伴など、ご自身の書いた作品を持ち込みください。ご提示いただく時間は約20分。その後10分は質疑応答です。見せる作品がまだない方、例えばアイディアを聞いてほしい、相談したい、もしくはこう書きたいけど、楽譜の書き方がわからない、音源だけを聞いて欲しいなどのケースも、それぞれのご希望に応じて、対応します。ご相談ください。

楽譜を書いて演奏してもらう。その間には幾つかの段階があると思っています。「自分の思考をクリアにする」「楽譜(なり伝えるためのメディア)に落とし込む」「演奏家(またはそれに準じた何か)に伝える」「音になる」。

そして最終的に音楽が、自分の想像したところに行かなかった場合、どこの段階で問題があったのか、それを知ることは非常に難しかったりする。

グループディスカッションでは、そのプロセスについて、みんなで考えを共有しながら、自分自身の創作過程を顧みる機会にしていこうと思います。

「どうしたらイメージした音が書けるのか」「演奏家に伝わる楽譜とはなにか」「そもそも楽譜って何だ」「音が沢山書いてあれば良いのか」「良く書けてる、とは何か」

楽譜に纏わるあらゆる疑問。三日間集中して思考し続けることで、それぞれが思う「楽譜の形」が見えてくるはず。ぜひふるってご参加ください。

【楽譜を考えるワークショップのキーワード】

同時代の作曲家の多くが使っている楽譜の形体を、以下に分類してみる。

<五線譜、図形楽譜、グラフィックノーテーション、スペースノーテーション、タブラチュア譜>

その他、多種多様な様式、ノーテーションへの理念や信念がある。独自に記号を発明する作曲家、写真を入れたり、長い説明文が入ったり、カラーだったり、楽譜じゃなくてプロジェクションだったり。もう分類すること自体に意味がないくらい、沢山の可能性がある。書いてある内容だけじゃない。書き方、記譜ソフトだったり、手書きだったり、色付きだったり、立体だったり、人の数ほどその形は様々だ。その中から、自分の音楽にあった記譜法をどうやって選んでいけばいいのか。そもそも、楽譜って何だろう。

【スケジュール】
9月2日(月)
13:00-14:30 ランチ
15:00-16:00 コンサートリハーサル
17:00-18:30 中堅女性作曲家サミット/ハーフ・ムーン・ホール
19:30-21:00 「身体性の先を見る」コンサート/ハーフ・ムーン・ホール

9月3日(火)/秋葉原会議室

10.15-10.30 アカデミーオリエンテーション
10.30-12.00 稲森安太己レクチャー「自作を語る」
ランチタイム
14.00~ グループディスカッション(17:30終了予定)

9月4日(水)/秋葉原会議室

10.30-11.30 グループディスカッション
11:30-13:00 ワークショップレクチャー(わたなべ、森下)
ランチタイム
14:00~ グループディスカッション(17:30終了予定)


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