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オンラインレッスン検討記

マクラメという手芸の教室を開いた。
マクラメを知り、楽しんで欲しい。そして、マクラメ制作を通して自分で自分を幸せにできることを知って欲しい。そんな思いで続けてきて早4年を過ぎた。

これまでたくさんの方がマクラメを体験しに来てくれた。でも、残念ながら体験レッスンのみで再び通うことのなかった方や2〜3回でやめてしまわれた方もいる。
そんな風に、生徒さんが"マクラメは自分に合わないな"と思ったとしても、『自分で自分を幸せにできること』もっと言えば『もっと幸せになっていいということ』を感じてもらえたなら、それでいい。その人にとって幸せになるための手段は、マクラメじゃなくてもいいのだから。
それを伝えるのが私の使命だと信じてやってきた。
(もちろんそれがマクラメで、レッスンを続けてくれたら嬉しい。)

オンラインレッスンを体験!

実はコロナのコの字も聞かれないうちから、オンラインでレッスンができないだろうかと考えていた。
都合が合わなかったり教室に来られない人にも、ぜひマクラメを楽しんでほしい。そんな単純な動機で、どんな方法があるか探したりしていた。

そんな折のコロナ禍。イベントも習い事も授業も会議も飲み会もオンラインでできる日々が降って湧いたようにやってきた。
これをチャンスと言わずして何というか、と意気が揚がった。
とはいえ、勢い走り出す前にまずは自分が体験してみようと思い、マクラメのオンラインレッスンを受講してみた。

が、これが全く面白くない。
講師が教えたいことは伝わるし、学びたいことは学べる。作品は完成できたし、郵送でチェックを受けることもできた。
なのに一体この手応えのなさは何だろうか。

気が付けばオンラインレッスンをやりたいと思っていた気持ちはすっかり冷めていた。

オンラインはやらないという選択

オンラインとリアルの教室での1番の違いは、多方向の交流ではないか。
リアルの教室では教える側=私と、教わる側=生徒さんの交流の他に、生徒さん同士の交流がある。
うちの教室は1回の定員が6人なので、計7人のベクトルが入り混じり、それが場所を共有し時間を共有し、立体的な空気感を作り出している。

オンラインでのレッスンも、進め方の工夫次第で生徒さん同士の交流を多少はセッティングできるかもしれない。あるいは、オンラインのレッスンはこういうものと割り切って、それでもいいと思う生徒さんを新たに獲得していけばいいのかもしれない。

それでも、私自身が感じてしまった「どうせオンラインはつまらない」という思いを抱いたまま講師として画面に映ることは、到底許容できない。

リアルの教室の良さ

現在行っているのは、人を閉じた部屋に集めて、お喋りをしながらのレッスンである。
そんなだからコロナ禍の影響はてきめんで、予想以上に影響が長引くなか、売上は減り続けている。

けれど、教室の良さはマクラメが学べるだけじゃない。
マクラメ教室ではあるけれど、レッスンそのものの周辺に散らばる手応え、肌触り、雰囲気、そういったうまく言葉にならないようなモノが確かにあるのだ。それらすべてをひっくるめて、私のマクラメ教室は成り立っている。
『マクラメ制作を通して幸せを感じて欲しい』という思いに、更に一味、私の教室でしか得られない経験があるはずなのだ。

というわけでオンラインレッスンはやらないという選択をして今に至るが、やらないと決めるととてもスッキリした。
売上は上がらないかもしれないが、今の教室のスタイルが私にはちょうど良く、気に入っている。

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