わたしのウィスキング・ジャーニーvol.3
こんにちは、サウナジャーナルの大山です。
今回は、初めてのサウナ旅の最終目的地、リトアニアでのウィスキング体験について綴ってみたいと思います。
*豆知識:リトアニア語でサウナ文化のことを「ピルティス」といいます。
ウィスキングとの出会い
2016年に初めてリトアニア式ウィスキングを体験してから、8年経った今も、あの時の驚きと感動は、記憶に鮮明に残っています。
それは、それまで私が体験した「サウナ」の概念を根底から覆すものでした。乾燥したジムのサウナや、フィンランド式サウナとはまるで違う、もっと深く、もっと神聖な何か――まるで儀式のような体験でした。
のどかな田園に佇む「ペルクニヨス・エルドヴェ」
リトアニアの第二の都市、カウナスの市街地から20分ほど車で走っていくと、白樺やオークのそびえ立つ森が近くなり、平原の中に家が点々とあるのどかな田園の風景へと変わっていきます。そんな豊かな自然に近い場所にロ「ペルクニヨス・エルドヴェ」はありました。
到着すると、優しい笑顔のアウドラさんと旦那様のロベルタスさん、そしてコロコロとモップのようないでたちで愛らしいワンちゃん、プーケが出迎えてくれました。
ログハウス調のサウナ小屋に入ると、壁にはさまざまな種類のウィスクが吊るされ、キッチンにはハーブティーの瓶がたくさん並んでいました。天井から吊るされたリトアニアの伝統的な麦わら細工「ソダス」のオーナメントが軽やかに揺れ、ミニマルながらも温かみを感じる空間でした。テーブルにはマリーゴールドが花瓶に生けられ、ハーブティーやスナックが用意されていて、まるで誰かのお家に招かれたような心温まるおもてなしを感じました。
私と友人がバスローブに着替えてテーブルに座ると、アウドラさんがお茶を淹れてくれました。香り高いハーブティーを頂きながら、私たちは自己紹介をしたり、これまでのサウナ旅の話したりと、軽い談笑をしました。微笑みながら穏やかな口調で話すアウドラさんと会話していると、その柔らかな雰囲気に、新しい体験へのわくわくで鼻息荒めに興奮していた自分のスイッチがリラックスモードに切り替わるのを感じました。
お茶を飲み終えると、アウドラさんが「サウナ室へ行きましょうか」と、
扉の向こうに広がる未知なるウィスキングの世界へと誘ってくれました。
次回も「ウィスキングとの出会い」編、続きます。