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ポッドキャスト #002 魯肉飯 今昔物語
ポッドキャスト、スタートした7月は魯肉飯をテーマにしていました。
最近、少しずつですが「魯肉飯」というワードを、コンビニやスーパーなどでも見かけるようになったと感じています。
私自身、台湾全土の魯肉飯を食べつくしたわけではない。
角煮のような豚肉がどーんと白米の上に乗っかっているのもあれば、そぼろのようなものも乗っていることもある。
「結局、魯肉飯って何なんだ?」と思い、初回のテーマにしたんです。
最初は、日本で魯肉飯専門店をされている三軒茶屋の帆帆魯肉飯の唐沢千帆さんに。そして、この回では、台湾人にも魯肉飯のことを聞いてみようと思いまして、私の友人である、Yoko Hoさんに話を聞きました。
Yokoというのは、ニックネーム。
台湾の方、お仕事用のニックネームを付けていると思いますが、彼女の場合はそれが日本式の名前だということなんです。
彼女には、台湾の人にとっての魯肉飯とは?
また地域によっての味の違いなどを、台湾の歴史を交えて教えてもらいました。
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Yokoさんは、台南出身。大学進学を機に、台北にやってきました。
まずは、魯肉飯について尋ねると、「お昼に軽く食べる」という彼女の言葉に衝撃を覚えました(笑)
え?
私、どんぶり目一杯の量を食べて苦しくなっているよ!
軽い…?
台湾に行ったら、確かに私も良く食べる。
だが、しかし!!魯肉飯を軽い食事と思ったことは、一度もないよ。
と思っていましたが、それは私の注文の仕方が悪いようでした。
お茶碗の上にお肉を乗せてもらう、日本的に言えば小さいどんぶりを作ってもらうみたいな感じだそうです。
私はいつも、どんぶりで頼んでいたからお腹いっぱいなのね…と納得。
魯肉飯は、脂身が多めのがっつり系と、脂身が少な目のサッパリ系に分かれるそうです。Yokoさんは、トロトロで脂身があって、口に入れるとすぐに溶けるようなものがお気に入りだそうです。
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魯肉飯と一緒に、スープが付くことが多いので、ランチには魯肉飯とスープを食べて午後へのエネルギーをチャージしているとのことでした。
お肉がどーんと乗っている、ワンパクご飯。
私の魯肉飯のイメージはそのようなものでしたが、Yokoさんの話と私のイメージには、かなり乖離しているところもありました。
魯肉飯は、"肉"という漢字が入っていますが、お肉がたっぷり入るようになったのは、最近のこと。やはりお肉は昔は高級品。
Yokoさんの、おじいちゃん、おばあちゃんの時代は、子どもの数も多いので、魯肉飯はお肉よりも汁がメイン。それを白米に乗せて味わうものだったそうです。きっとお肉のかけらが入っているだけでも、テンション上がったんでしょうね。もちろん外食ではなく、自宅で食べるものだったそうです。
いまは、お肉たっぷりで、外食で食べる方が多い魯肉飯ですが、世代によっては、家庭で汁をかけてもらって食べる。いわゆる、おふくろの味だそうです。
ちなみに。
魯肉飯の「魯」は当て字。本来は、「滷」という字を書きます。
これは、1回目に登場頂いた唐澤さんからも教えて頂いたのですが、「滷」というのは、"醤油で煮込む"という意味。つまり、お醤油で煮込んだお肉のご飯って意味なんです。
大家族で食卓を囲みながら、少し甘くてスパイスの香りがする、醤油ベースの汁をかけて、白米を頂く。その情景を思い浮かべると、思わず手を合わせて「いただきます」と大きな声で言いたくなります。
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もうひとつ、興味深いものが、味付けの話。
日本でも、東京と大阪では味付けが違うなどありますが、台湾にも地域による味付けの違いがあるそうなので、台南の味と台北の味を聞きました。
台南など南の方は甘い味付けで、魯肉飯も甘いと教えてくれました。Yokoさんは、台南出身ではありますが、むしろ台北の味付けの方が好きだそうです。台南に行ったことがない私としては、台南の味付けの甘さを体験してみたい!と話しましたが、甘いよっ!!(笑)と彼女は笑っていました。
なぜ台南が甘い味付けなのか?に関しては諸説あるようですが、そのひとつが、次のようなエピソードです。
台南は、台湾の南に位置するところ。
日本が台湾を統治する1895年の前までは、台湾の都。いわゆる古都です。いまでも、台湾の主要な都市です。
古都であり、人々が多く暮らしていた場所だけあって、お金持ちもたくさんいる場所でした。
当時の砂糖は、高級品。だからこそ、「自分は、これだけ高級品である砂糖を入れた料理を食べられるんだ」と、富をアピールするために、味付けが甘い、という説もあるそうです。
さて、台湾では、台湾華語(中国語)も通じますが、台湾語も使われています。Yokoさんには、台湾華語と台湾語での「ルーローハンをください」を教えてもらいました。
「魯肉飯を1杯ください。」は、「イーワン ルーローファン」です。(カタカナでごめんなさい!)
そして、台湾語での魯肉飯は、「ローバープン」。だから、魯肉飯を1杯は、「ジ ワン ローバープン」ということ。(こちらも、カタカナで、すみません…)
台湾の南は、特に台湾語を話す方もいますので、台湾語で注文できたら、とても喜んでくれるそうですよ。
実は、私が話せる中国語は、「魯肉飯ください」だけ。お恥ずかしい話です。とりあえず、食うには困らないねということで、ちょっとネタのようになっておりますが、いい加減に語学を取得しなくてはいけません…。
Yokoさんオススメの魯肉飯屋さんは、中正紀念堂近くの金峰魯肉飯です。
食べログがある…!!
台湾に行って、Yokoさんに魯肉飯屋さん巡りを一緒にしてもらうのも楽しみですし、Yokoさんは日本で美味しいラーメン食べたいと話してくれていました。いよいよ、どちらも実現できる日が近づいています。楽しみすぎる。
ちなみに、Yokoさんは、台湾でジャンル別にチューニングされたイヤホンの企画制作、販売をしています。
こちらで記事も紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
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