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台湾的音楽 透明雑誌 ゼロ年代の愛とか青春とか音楽とか

透明雑誌 (TOUMING MAGAZINE)
台湾のインディーズ音楽を語るのには外せないバンドです。
2006年に台北で結成。2012年に当時のEMIミュージック•ジャパンから日本デビュー。CDショップで楽曲を聴いて、度肝を抜かれたのを覚えています。

「透明雑誌FOREVER」
2012年にリリースした『透明雑誌FOREVER』から、タイトルと同名の楽曲。一音目を耳にした瞬間に、フェスの日差しと草の匂いとビールの味が私の中に浮かびあがり、ライブ行きたい!!フェス行きたい!!と思ってしまいます。

あの頃、彼らの音楽を聴いて、"台湾音楽ってこんなのあるんだ!"と知れたのは、透明雑誌が日本のメジャーレーベルからCDを出したからだと思っています。
2010年代前半は、TwitterやFacebook、YouTubeもあったものの、まだ今ほどプロモーションの必須ツールという感じもなく、詳しく音楽の情報を仕入れるならば、音楽系サイトや専門誌、ラジオ、それからお店に行くって感じだったかなと。

CDショップは、メーカーから直接CDを仕入れるのではなく、間に問屋さん的なところが入っていて、基本的にはそこからCDを仕入れています。メジャーレコード会社であれば、主要な問屋さんと取引があるので、全国津々浦々まで作品を置くことができるというわけでして。

それまで私の中にある台湾の音楽といえば、テレサ•テンなどの歌謡曲や、日歌台唱と呼ばれるような、日本のポップスを向こうの言葉で歌うものでした。
日本のアーティストが台湾に行くと、空港で熱烈歓迎されてる様子をテレビやスポーツ新聞で目にすることがあったので、”台湾ってロックとかほとんどないのかな?”と勝手に思っていました。(実際は、そんなことはなく、80年代後半の戒厳令解除の少し前からインディーズは存在していますが…。)

「性的地獄」
2011年リリース『僕たちのソウルミュージック』に収録。MVは10分に渡る大作。そして、この胸が熱くなる感じはなんだろうか。何歳になっても蘇る、甘酸っぱいような汗臭いような、そんな感覚が好きです。

“台湾のナンバーガール” というキャッチコピーがつけられていた透明雑誌の楽曲は、めちゃくちゃカッコ良く、私はタワーレコードの視聴機の前で震え、台湾音楽って面白いと思いました。キャッチコピーの賛否は、イロイロあるかもですが、そんなことはどうでもよく、透明雑誌の音楽に惹きつけられました。

透明雑誌は、台北で2006年に結成された、オルタナティブ•ロック•バンドで、ピクシーズやソニック•ユース、ウィーザー、日本のナンバーガールにも影響を受けています。
私は、ソリッドで歪んだギター音やリフがとても好き。あと初めて中国語でロックの歌詞を聴いたので、それがとても斬新に耳に響きました。

2011年に、日本で自主制作盤『僕たちのソウルミュージック』をリリースし、耳の早い人の間では、すでに話題になっていましたが、私が初めて聴いた場所は、タワーレコード。さっきも書いたように、メジャーから日本デビューしたので音を聴くことができたようなものです。

ゼロ年代に大学生だった私は、当時も変わることなく、CDやライブに、そこそこ時間もお金も費やしていましたが、台湾の音楽にあまり興味を持ってなかったので、きっとCDショップで出会わない限り、彼らの楽曲を聴くことはなかったんだろうな、と思います。

今だったら、検索してYouTubeで音楽を聴いて、Spotifyでヘビロテして、とても気に入ったら盤を買い、来日したらライブ行くか、フェスで見るみたいな流れでしょうね。
でも、あの時に、手書きポップを見て、視聴機に手を伸ばし、楽曲を聴き、パッケージに触れた感覚は、いまでも覚えていて、台湾の音楽って面白いかも…と思ったことは、大切な経験でした。
そう思うとCDショップは、音楽とのセレンデピティなところかもしれない。

「少女」
2011年に台湾でリリースしたデビューアルバム「我們的靈魂樂」に収録。このジャケットも、同時試聴機に同時に並んでいた気がするんです。見覚えがありすぎて。

その後、透明雑誌はEMIからのリリースも無くなってしまい、”どうなっているんだろう…”なんて思っていましたが、SNSなどの各種ツールがどんどん発達して、台湾の音楽情報を知ることが出来るようになりました。これは、本当にインターネット万歳です。
そして、透明雑誌は、2016年頃に活動休止していましたが、2020年には活動を再開とこれまた嬉しいです。

そんなこんなをしている間に、私自身も台湾の音楽にも関わっている人と知り合い、その方を介して台湾に友人が出来まして、昨年からラジオでも台湾と関わるようなことになり、勉強しながら分かったことをnoteに記すようになりました。

いろいろと調べたり学んだりする原動力は、透明雑誌を初めて聴いた時の衝撃であったことは間違いないです。ライブを観ることはまだ実現していませんが、私の中では、とても重要なバンドなのです。

透明雑誌の楽曲は、Spotifyで聴くこともできますので、ぜひチェックしてみてください。

台湾と日本の音楽、特にインディーの関係性については、こちらの記事でも書いておりますので、良かったら読んでみてください。


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