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台湾的音楽 四枝筆 Four Pens 日々の忙しさを優しく溶かす楽曲たち

師走ですね。11月から息つく間もないほど忙しくしております。
その間に、四枝筆のサニーさんからInstagram経由で、新アルバム『我也相信了永久』が出来たお知らせを頂きました。
これが、慌ただしい日々で逆立った心を撫でて穏やかにしてくれるような音色が素敵な作品です。

四枝筆は、2011年結成、台湾のインディー3ピースバンドです。
ソングライターのBiboを中心に、女性シンガーのCandace(小四)、メタロフォン奏者のSunny(咨咨)で構成されています。
日本でもライブ経験があり、ファンも多いアーティストの1組。ボーカル、サニーさんの歌声が優しく、時に寂しさを含んだ、優しい苦さを感じます。また、ポップな音楽ではあるのですが、どこかに品の良さを感じられる。そんなところが、私はとても好きです。

四枝筆を紹介した記事はこちらでもご覧いただけます。

今年、結成10年を迎えた彼らは、今作『我也相信了永久』をリリースするのにあたり、クラウドファンディングも実施していました。また、アナログレコードも3月にリリースを予定しています。(めちゃくちゃ欲しい)

アルバム1曲目を飾る作品。イントロに打ち込み入っているのと、ハモンドオルガンのような音色に、ぐっと惹きつけられますね。ちょっとだけ、プロコル・ハルムの「青い影」のイントロみたいな美しい世界が見えました。

「是我們碰到了雨 When the rain falls」

アルバムは、ギターとピアノの美しい旋律の曲から、打ち込みやラップ、そしてシンセサイザーも入っています。少し今までとは少し系統が異なる曲も収録されてして、それがまた心地良く楽曲と響き合っていて、彼らの新境地を感じることができました。

「麥麥 MYMY feat. 山姆 someshit」

ラッパー山姆 someshitをフィーチャリングした楽曲
打ち込みも入る楽曲は、緩やかなだけれどもR&Bの雰囲気が入り心地良いです。

今までの四枝筆 Four Pensの楽曲もとても好きでしたが、更に彼らの魅力が広がっているように感じるのは、既に持っている素晴らしいものにプラスして、新しい試みがあったからだと思います。使用する楽器の幅が広がり、音楽としてもラップが入るなどの変化があるのはもちろんですが、この作品は台湾のインディーシーンで人気のラッパー山姆 someshityとの合作だそうです。人生の「失うと貰う」をテーマにしたアルバムですが、言葉は分からなくても、音の雰囲気からの心の機微を感じます。

もともと、彼らの作品は、とても"心のひだ"に入り込むような、内省的でナイーブさも持っているなと思っていましたが、今作ではその魅力は残しつつも、新たな試みで、本当に世界がグッと広がっているいるように感じます。

これまでも、日本のアーティストとの共演も多数経験している彼ら。
いままには、曽我部恵一さん、君島大空さん(個人的に2021年に良く聴いた作品のひとつです)、そしてAnn Sallyさん、市川和則(羊毛と花)さんなどとも共演しています。
このアルバムを引っ提げての日本ツアーが私は楽しみで仕方がないです。また、共演するアーティストは誰が良いかななどと想像するのも楽しいです。

四枝筆 Four Pensのアルバム『我也相信了永久』は、YouTubeでも楽曲を楽しむことが出来ます。

Spotifyでも聴くことができますので、ぜひチェックしてみてください。

また、noteでは2021年夏に、彼らが日本人アーティストADとコラボした楽曲についてのインタビューも掲載していますので、そちらもぜひ聴いてみてください。京丹後の美しい、日本海の景色と澄み渡るような歌声が魅力です。


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