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台湾的音楽 ラジオNIKKEIで紹介した台湾SDGsと音楽の話

9月23日(秋分の日)に、再びラジオNIKKEIの番組に出演させて頂きました。
番組名は、「21世紀の台湾と日本~台湾ロスを癒そう!台湾満喫ラジオ~」。特番です。今年は、あと1回放送されまして、私も出演予定です。
ラジオNIKKEIでは、この特番を20年以上続けているそうです。
文化だけではなく、経済的な結びつきなど、いろいろな角度から台湾を知ることができる番組でした。

毎回テーマを決めて、そこに関するお話が展開されていくのですが、今回のテーマは、SDGsでした。SDGsと音楽…なかなか難しいなぁと思いながらも、いろいろと考えていくのは、とても面白かったです。

今回は、3曲紹介しながら、お話をさせて頂きました。

生祥樂隊「豆腐牯 The Tofu Guy」

こちら、以前にnoteでも紹介した、生祥樂隊の作品です。
この曲は、2020年にリリースされたアルバム『野蓮出庄』に収録されているのですが、このアルバム自体食べ物をテーマにしたアルバムです。

「豆腐牯 The Tofu Guy」のMVは、畑で大豆を作っているシーンから、加工して豆腐や豆乳が出来る様子、そしてそれが流通している様子や、食卓に並ぶシーンもあり、そのプロセスが分かると生産者のことも思ったり、どのくらいのエネルギーを消費して流通しているか?などが想像しやすくなるなと思っています。

子どものころ、教育番組でこういう映像があったら、わぁ楽しいな!と見ていましたが、大人になって改めて見ると、どれだけの人が関わっているか?などが分かって、食べ物も大切にしないといけないなとも思っています。

ちなみに、このアルバム『野蓮出庄』彼らの出身地、台湾南部の高雄市美濃区の食べ物がテーマだそうです。この地域は、客家をルーツに持つ人も多く、生祥楽隊は客家語で歌っています。

また、アルバムタイトルと同じ「野蓮出庄」という楽曲ですが、こちらのMVを見ていると、収穫の様子を見ることができます。
野蓮は、台湾ではお馴染みの食材ですが、収穫が大変。体の半分以上を水に浸かって収穫します。いまは、技能実習生が収穫作業をしていることも多いようです。こういう点でも、日本と共通する社会問題が透けて見えてくるなぁと思います。

食べ物を大切にすることや、働く環境や条件に関しても平等にしなければということも、私は思ってしまうのです。

「17歳のあなた」イリー・カオルー

こちらも以前にnoteで紹介しています、イリー・カオルーさん。

原住民アミ族の血を引くアーティスト、イリー・カオルーさん。
いまは、台東で暮らし、そこで子どもを育て、畑を耕し、音楽を制作する、という生活を送っています。一見すると、スローライフなイメージがありますが、オシャレでゆったりとした暮らしを夢見て…ということではなく、人間らしく暮らす。畑を耕し、子どもを育て、自然の中に身を置くという、暮らしの中で生まれた音楽を形にしていきたい、そんな思いがあるそうです。

「17歳のあなた」は、第二次世界大戦中の海が舞台。17歳で日本の商社の船に乗っていた台湾人の少年が、海の上での攻撃にあい、船は沈没。
いまも、太平洋で珊瑚と共に眠っている彼のことを優しく歌っています。
静かに、彼のことを想う歌ですが、美しい海や波の音のイメージが浮かんでくるのと同時に、少しだけ寂しさを感じます。

イリーさんの暮らしの話を伺うと、海は美しいままであって欲しいし、歌詞の内容などを見ると、平和であることの尊さを感じます。

イリーさんの音楽は、アミ語で歌うものもあれば、台湾華語で歌うものもあります。日々の生活や、人の暮らしの中で起ってきた出来事(歴史的な出来事であっても、それを大げさにするのではなく、人間の暮らしや目線に添っている感じかなと。)そして、アミ族の伝説を元にしたものもあり、魅力に溢れています。

「踅夜市(Night Market)」拍謝少年Sorry Youth feat. Jen Jen

台湾インディーズバンドのSorry Youth 彼らは、台湾語で歌います。
日本にもファンが多いですね。三軒茶屋の魯肉飯屋さん、帆帆魯肉飯のオーナー唐澤さんもファンとして有名です。

この曲のギターの音色、そしてちょっとスローなテンポが、なんとなく夕暮れ時をイメージさせて好きなんです。夕暮れ時にフェスでビールを飲みながらこの曲を堪能したいなぁなんて思いますが…

台湾夜市。観光客だけではなく、台湾の地元の方たちにとっても大事な場所なんじゃないかなと思います。きっと、小さな町であれば、近所の人との
コミュニケーションの場所にもなっているかもしれません。
小さな経済圏で成り立ち、その場所に暮らし続けるために大切なもののひとつが、夜市なのかもしれないと思っています。
台湾人の友人に、以前に「台湾人は、ごはん食べた?」ていうのが、挨拶みたいなものだよと教えてもらったことがあります。食と人との繋がりを大切にしているんだなと、その時に感じました。

夜市と言えば、使い捨て容器のこともありますが、台湾ではプラスティック容器の使用を削減するためのさまざまな取り組みが行われています。屋台ではなく、小売り店やカフェのお持ち帰りのプラスティック容器での提供も、2022年内で終了のようですよ。

きっと、夜市にもたくさんの変化が出ていると思いますので、今度夜市に行った時には、提供する器にも注目したいです。

と言う感じで、今回も15分と言う尺だったので、かなりの駆け足で紹介をしていきました。

SDGsと音楽って、最初は出来るかなと思いましたが、でも改めて音楽を聴いてみて、考えてみると台湾の音楽では、SDGsのトピックが入っているものも多いなと思いました。
アーティストは、SDGsを意識して作品を作っているわけではないと思いますが、台湾アーティストの楽曲には、社会問題などを扱うものも多いのが、その理由かなと思います。問題の中には、台湾のみではなく、世界中に共通していることもたくさんあると思います。トピックは台湾になっていても、同じような問題が世界には横たわっているというか。

台湾は、多民族国家であるのは、歌われている言語でも分かりますし、それぞれのアイデンティティをそこから感じることができます。
私は個人的に、音楽は人の生活の延長線上にあるものだと思うので、だからこそ、恋愛だけではなくさまざまなテーマの歌があって良いと思っていますし、そういうトピックの曲を作ることが多い、台湾の音楽が好きなのかもしれません。

この番組のコーナーのOPには、阿爆の「Thank You」が使われていますが、彼女もパイワン族の血を引くアーティストです。

R&Bやヒップホップなどの要素も入りながらも、パイワン族の言葉で、パイワン族のカルチャーをつなげていく彼女はカッコいいなと思うし、さまざまなジャンルのアーティストともサラリとコラボするし、原住民アーティストの楽曲を扱うレーベルを主宰していたりと、本当に多才な方だなと思います。

また、台湾のアーティストの楽曲について、ゆる考察した記事も書いていますので、良かったら見てみてください。

といった感じで、興味深いものを調べてみて、ゆるっと公開していますので、よろしくお願いします。

ラジオNIKKEI次回の出演は、11月を予定します。
また、お耳にかかれると嬉しいです。

ついでに!
Podcastをスタートさせましたので、こちらもよろしくお願いします。noteのマガジンにまとめています。これから、記事は増えていきます。


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