わざわざ行きたい、洗練ギャラリー『NOTA SHOP』| #うつたび 信楽編
居心地いいカフェですっかり長居しちゃったけど、お腹いっぱいになったところでこの旅本命のギャラリーへ。
14:00 古い製陶所をリノベしたハイセンスギャラリー『NOTA SHOP』
やたら細くて不安定な田舎道をカナエさんの神運転のおかげでなんとか辿り着いた先にあったのは、信楽きってのハイセンスギャラリー『NOTA SHOP』でした。
ロンドン留学、デザインや広告といった分野で活躍され地元へUターンしてきたというオーナーのセンスが光る内装やディスプレイ。
製陶所の名残を感じる古びた空間
でもどこか元の製陶所の名残があって。例えばここなんかは粘土を精製していた場所のなごりなんです。言われないとわからないですよね。
洗練された空間なんだけど、そこかしこにちゃんとこの場所の歴史や良さが残っていてうまくブレンドされてるのが素敵。
オリジナルプロダクトから感じる信楽の歴史
オリジナルプロダクトではスツールや花瓶など独自のデザインでかっこいいものがたくさん。
信楽は茶道具や食器以外にも火鉢や傘立てなどインテリア、建築など分野の製品の歴史も長いそうです。信楽といえば焼き締めの緋色というイメージがあったのですがこちらのインタビューを読んでオリジナルプロダクトのクリーミーで絶妙な色合いに納得。
産地ってなんだろう?
こうして産地をめぐる旅をしている私がいうのもなんなのですが、確かに産地の特性って難しいですよね。
いいインタビューだったので思わずたくさん引用してしまいますが、書かれている通り何をもってオリジナル?産地の特性?という。歴史的には土地で取れる土や木や風土と密接に関係して育ってきたといえますが、21世紀の現在それがどれだけ土地固有の個性と言えるかというと。。。通販で全く違う産地の土買えちゃう、ぱっと見のビジュアルだって真似ようと思ったら全国で同じように真似できちゃう(極論で言えばですが)中で、何をもって産地のオリジナリティといえるのか。
作り手の方とお話しするほどに、”2022年の今”陶芸の、産地の意味って?と考えられていると思います。それが良質な土であったり、磨き抜かれた絵付けの技術であったり、モノだけでなく観光を通した体験であったり、みなさん模索している。私は作り手当事者ではないけれど、こうやって旅をしながらいろんな話を聞きながら(まだ答えは出ないけどわからないなりに)考えていきたいと思ってます。
石のオブジェとパロサント
『NOTA SHOP』オリジナルのプロダクト、リサイクル土をつかったオブジェ。一つ一つの個性もかわいいし、こうやってパロサントを立てかけて使う利用シーンも素敵だなと思ってお買い上げしました。これがまたいろんな釉薬の色やフォルムがあってどれを選ぶか迷うの!でも迷うのもまた楽しみですね。
松本治幸さんのカップ
もう一つ購入したのは滋賀在住の陶芸家 松本治幸さんの作品。卵の殻のように薄く、ふとした隙に割れてしまいそうな繊細さを持ちながら、穴窯ならではの窯変の表情はすこぶるダイナミック。信楽としては珍しく磁器土を使って、焼成は穴窯なんだそうです。なんともらしさと意外性が同居した素敵な作品。
実は一緒に『NOTA SHOP』を訪れたあやこさんの大学の先輩だということでご縁も感じてお持ち帰りしました。ときめきと縁があったらもう買うしかないよね。
信楽ってなんだろう、って考えながらもまずはその空間の圧倒的センスに魅了されながら気づいたら数時間滞在してしまいました。写真NGだったけどこっそり制作現場も拝見させていただいて、工房まで美しいなんて、、、って衝撃。本当にわざわざ訪れる価値あるスポットなのでチャンスがあったらぜひ皆さんも足を運んでみてくださいね。