同じ産地でも窯元さんによって個性はみんな違う| #うつたび 九谷焼編
前回に続き、九谷焼編です。
錦山窯さんを後に、緒方さんに九谷焼の窯元さんをご案内いただきました。
歴史ある蔵がギャラリーに「宮吉製陶」さん
最近ギャラリーを作ったという宮吉製陶さん。大きな蔵をそのままに、立派な梁がかっこいい!この壁の落書きにも歴史ありです。
九谷焼の窯元産の中では産地でも最も大きな窯元の一つである宮吉さん。大きな窯元さんだからこそ、多種多様なうつわを作られています。そんな中で見えてくる景色もあるのかも。ろくろ場など色々拝見しつつお話伺いました。
「九谷焼も、伝統的な絵付けだけでなくむしろ絵柄のないものとかも最近増えててね〜」だそう。九谷焼といえば加飾の文化が発達していると言われています。そんな中絵付けをしないうつわの需要が増えることとどう向き合うか。伝統を守るというときに何を持って九谷焼なのか?九谷焼にとってのエッセンスは何か、歴史あるうつわだからこそ何を残しどこをドラスティックに変えていくのか、作り手も悩むところですよね。。
磁器のプラモデル!?置物専門窯元「宮創製陶所」さん
磁器はうつわだけじゃない、というのがよくわかるのが宮創製陶所さん。こちらは置物素地専門の製陶所さんです。
こちらで驚いたのが型の細かさや多さ!食器を作るには色々な作り方があるのですが、型に粘土を流し込んで作る方法があります。私が関わっているきほんのうつわでもこんな感じの型に流し込んで乾燥し固まったところを外すと成形されているという仕組み。じょうげにわかれ
上下にわかれてますが、カパッとはずせば上のような形状になります。これが置物になるとなんとこんなに大量に型が必要になるそうです…!
完成するとこうなります。
とっても小さな置物でも、獅子の姿が複雑なので型が何個も何個も必要になるんですね。これが大きな置物になればなるほど数が増え、重さも大きさもビッグになり。。。これは食器を作る以上にパーツが細かくて大変そう!
まるで磁気でできたプラモデル。私は絶対間違って足と腕とくっつけたりミスをやらかすな、、、と白目になりながら見学しました。
窯元ごとに異なる個性
前回noteでお話しした、ハイセンスな錦山窯さん、産地最大級の規模をほこる宮吉さん、置物専門の宮創さん。九谷焼と一言で言っても窯元さんによって得意なことや目指す姿も異なります。九谷焼という名称は歴史あるブランドですが、九谷焼ならどこも一緒ではない。「産地を訪れて分かる九谷焼らしさ」が前回のお話だとしたら、今日は逆に「九谷焼と一口に行っても色々ある、創て一人一人の顔と思いを見ないと」ということが学びでした。