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スガノユキコのもっと知りたいうつわ旅 #うつたび

みなさん見てください。コレが私が買った旅の戦利品たちです。

九谷、唐津、伊万里、有田、波佐見で12月に購入したうつわたち左上から時計回りに。
唐津隆太窯中里太亀さん、九谷焼MAMUCA×堀畑欄さんコラボ、波佐見マルヒロ、伊万里鍋島虎仙窯、唐津中里花子さん、有田「1616 / arita japan」「2016 / 」、伊万里畑萬陶苑

旅から帰ってきて気づいたらもう二ヶ月経ってました。そうなんです、昨年12月に念願のうつわの産地訪問をしてきたのです!あれもこれも情報をシャワーのように浴びて感じてコレまでにない充実感を感じたものの、それを整理して文章にするのがどうもうまくできなくて。

陶芸のマニアックすぎる話書いても誰も読まないかな?実際に旅する人に有益な方がいいかしら、いやいや自分の視点が大事なのでは、いや視点ってほどまだ語れることもないんだけど、、、なんてグダグダ言っているうちに気づいたらはや数ヶ月。このままではどんどん新鮮な記憶が薄れてしまう。もう稚拙でもいいや。誰が読んでくれるかわからないけど、ずっと先の自分が読み返したときに「あの頃産地を初めて訪れた頃はこんなこと考えてたんだな〜」ってわかればいいや、と今の自分が思ったこと記録しておこうと思って筆を取りました。

羽田空港から富士山見えるほど快晴だったのに、1時間後着陸した小松が大雨雷で衝撃

なんで産地を訪れるの?

うつわのことはスタイリストとして”使う”プロではあるものの、”作る”ほうに関しては完全素人でした。そんな私が食器ブランド〈きほんのうつわ〉に携わるようになって、あわててて付け焼き刃で見様見真似で勉強。それでも自分の力不足を感じる日々で、「うーん、もっと食器のこと知りたい!やっぱり作ってる人の話を聞いたり実際現場を見てみないとわからないのでは」と産地を訪れることにむくむく興味が出てきたのでした。
(※そんなわけでこの旅の記録をマガジン『スガノユキコの ”もっと知りたい” うつわ旅』と名付けることにしました)

波佐見焼マルヒロさんのHIROPPAにウキウキで駆け込む私

うつわ旅をしてみて実際どうだった?

12月に旅をしよう!と決めて訪れたのは、九谷焼の産地 石川県小松市。そこからほど近い山中漆器を見に石川県加賀へ。さらに九州佐賀県へ飛んで唐津焼の唐津、鍋島焼の伊万里、有田焼の有田。最後に隣接している長崎県波佐見焼の波佐見。1月には私の地元東京のことも知りたいと思って江戸切子の工房見学も。

この冬に北陸、九州、東京とまわってきました。さらにお付き合いのある多治見の窯元丸朝製陶所さんや名古屋スポットの東海エリア、ギャラリー単位で旅したと言えると京都もかな。この辺が今私が訪れたことのある産地たちとなります。

「いやもうほんとにうつわ旅してよかった〜!本で読むのと全然違う〜!」というのが率直な感想。九谷焼も漆器も有田焼もどれも自分が馴染みにある食器ばかりだったのですが、実際に産地を訪れると「ああ、この気候風土でこういう街の中にあるからこのうつわなんだ」というのが肌身に感じられてすごくこう、腑に落ちるという感じなんですよね。

セラボクタニの展示。こんな岩の塊から美しい九谷焼ができる…!

うつわは自然の食材を生かした料理みたいなもの

これまで私に取って食器は美しい「造形物」だったけれど、産地を訪れて感じたのは「自然の中から生まれ出た何か」だということ。ちょっと語弊があるかもしれないけれど、畑を耕して野菜ができるとか、野菜を蒸して料理ができるとかそういったことに近い感じ。もちろん育てたら自然と実がなる農業とは全く違うんですが、土や水や火やその土地土地の大自然から粘土や薪をいただいてできあがったものという感覚がこれまでなかった。本で読んで知ってたけどやっぱり自分の感覚値として浅かったなと感じます。

お店に並んだかわいい形のカップを手に取って綺麗だなと思って買って家で使う。そこには、仕上がった完成品と生活しか接点がないのですが、今は「このカップ、九谷の粘土でできててあの車から景色で見えた山から掘られてるんだな」と感じるようになった。

①食器→②私の暮らしとい接点だけだったところに
①産地(自然や職人の腕)→②食器→③私の暮らしという自然との接点ができた感じ。

同じものを見ても感じる解像度が上がって面白いと感じる深さが変わりました。かわいいカップの中=土や石をこねて焼いて作られてるっていう感覚が、実際に産地を訪れてはじめて身に染みてわかった気がします。

唐津の「洋々閣」に宿泊。いい宿いいごはんも旅の楽しみだもんね

うつわの違い=風土の違いを肌で感じる

今回、北陸と九州を一気に回ったのも良かった!産地ごとに違う景色が広がっていてそれが作られたうつわにも反映している気がしました。磁器の絵付けという意味では似ている(歴史的経緯からしても似ていて当たり前なのですが)有田焼と九谷焼でも、北陸の寒く暗い風土と九州の長閑な風土で作られたうつわが違うなと感じたり。似てるけど違う、違うけど似てるを繰り返し見ることでまた面白みを感じたり。この辺はまた詳しく書きますね。

***

というわけで自分にとってみのりある旅だったのですが、これからどんなところを訪問したよとかこんなことが面白かったよとか、シンプルに旅の記録としても泊まったところとか美味しかったご飯とか色々書いていきたいと思います。

旅好きな人、うつわ好きな人、よかったら見にきてくださいね。

#うつたび  note一覧

■九谷焼編

vol.01 九谷焼の産地は日本の北欧だった| #うつたび 九谷焼編

vol.02 同じ産地でも窯元さんによって個性はみんな違う| #うつたび 九谷焼編

vol.03 九谷焼を知るならギャラリーへ| #うつたび 九谷焼編

vol.04 新しい風が吹く。九谷焼作家さんとの出会い| #うつたび 九谷焼編

vol.05 山と向き合う彫刻としての漆器| #うつたび 山中漆器編

vol.05 炎に包まれ、美しい音色を聞く楽焼体験| #うつたび 京都編

vol. 05 信楽の”今”が詰まったギャラリーカフェ『TORASARU』| #うつたび 信楽編


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菅野有希子
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