「守口市のひみつ」3年生のローマ字学習とヘボン式ローマ字
4回シリーズの3年生のローマ字学習も今日が最終日。
外国語専科の私だが、ローマ字学習についてはいろいろ研究してきたこともあり、ここ10年間ほど3年生に「ローマ字の授業やりますよ!」と授業をしている。週に1時間の4回シリーズだ。もちろん教科は国語!
ここまでは日本語の特徴をつかむために、訓令式をガッツリやってきた。「日本語は【ん】以外全部母音がくっついている」「日本語の母音はあいうえお」「子音というのは息をせき止める場所の印」なども含めて学習してきた。
今日は大文字の扱いとヘボン式ローマ字だ。ヘボン式は4年生教材になったが、3年生で触れておくのも大事かなと、ちょっと触れることにした。ここで外国語活動で勉強してきたフォニックス(ジョリーフォニックス)が生きてくる。ヘボン式ローマ字は、子音字を英語風に、母音字をイタリア語風に表記したもので、外国の人が日本語に近い発音をするために作られたものだからだ。
導入は駅名表示。守口市駅の駅名表示を見せて、漢字、ひらがな、ローマ字があることに気づかせる。「なんで3種類も書いてあるのでしょう」と聞くと、「漢字が読めない人のため」「ひらがなも読めない人のため」と出てきた。
続けて「今まで習ってきたローマ字なら、こう書くよね」とMorigutisi と書く。
「でも駅名表示はこうなってます」とMoriguchishi と書く。
「どこが違うでしょう」
と聞くとすぐに「ti 」と「chi 」、「si」と「shi」に気がつく。
「なんでかなぁ〜」と言いながら、「フォニックスで読んでるように読んでね」と「ti 」と「chi 」、「si」と「shi」を読ませる。
この子たちは4月からコツコツと外国語活動でフォニックス学習を続けてきている。最近やっとダイグラフ(2文字1音)に入り、ch, sh を学習したところだ。
tiは「ティ」chiは「チ」
si は「スィ」shiは「シ」
Morigutisi は「モリグティスィ」言ってみて「なんかへーん!」と笑いが起こる。
Moruguchishi は「モリグチシ」
と、自分の口で発音してみて「あっ!」と気づく。「ヘボン式の方が守口市の発音に近い」
「そうですね。外国の人たちが、日本語の発音に近くしようとして考えられたのがヘボン式ローマ字がです」と言って、訓令式とヘボン式の違うところをチェックしていった。
ヘボン式ローマ字は「し、ち、つ、じ、しゃ、しゅ、しょ、ちゃ、ちゅ、ちょ、じゃ、じゅ、じょ」の時に違う書き方になるというのを知ったあと、クラスの中でヘボン式ローマ字を使う子達の名前をパワーポイントで出して行った。「読めるかな?」と言ったら、一生懸命読んでいる。
自分の名前が出たら、すごく嬉しそう。みんなその子の方を見てニコニコ。
そのあと一人一人の名前のローマ字表記を4線上に印刷したものを配り、ローマ字ファイルに貼る。
そして「さあ!4線の上に書いてみよう」と書かせてみたら、「難しい」と言いながらも、丁寧に、丁寧に書いている。
自分の大事な名前。大事に書くよね。
そして「まるをつけるから持っていらっしゃい」と言うといそいそと持って来る。
少し訂正が必要な子もいるが、最後はみんな◯。
自分で書いたローマ字の名前を大事そうに見ている。
「自分の名前を書けて嬉しかった」
と書く子が多い。
やっぱり自分の名前は特別だ。
「ヘボン式ローマ字なら、外国の人にもちゃんとした発音で呼んでもらえるね」
これからもお名前、大事にしてね。