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激情歌謡レコメンド5選


 普段から数多くバンドの曲を聴いてると、この曲なんだか日本っぽくて”和“を感じるなぁとか、懐かしい歌謡曲みたいな雰囲気があるなぁとか、日本独自の奥ゆかしさを孕んだ曲に出会うことがある。

 実際そういう雰囲気の曲が好きで、得意分野というか日本人故なのかノスタルジーに浸りたいのか定かではないが定期的に聴きたくなる。懐かしく親しみのあるメロディに激情型のボーカルが乗っかるバンドなんてもうDNAに刻まれてるみたいなもの。
 アジカンや9mmのようなメジャー所のバンドにもそんな歌謡エッセンスを大なり小なり感じたりするので、慣れ親しんだ音楽としてルーツにあるのかもしれない。

 ということで、今回はそんな日本らしさ全開の和と歌謡のテイストを持つ日本のバンドからオススメの5曲をピックアップしたい。刺さる人には深々と刺さるはず。


1、それでも尚、未来に媚びる/秋日

大阪で結成された激情系バンド。序盤のギターフレーズから哀愁とクサさが漂い、ボーカルの歌い回しも独特でクセになる。詞にも「秋茜」や「松虫」などが登場し、枯れゆく秋が持つ切なさを疾走感と共に表現した曲。季節の中ではダントツで秋が好きなので、そんな風景を呼び覚ましてくれる曲は最高。



2、LUNKHEAD/闇を暴け

結成25周年のベテランLUNKHEADよりこの曲を。敢えて野音のLIVE映像をチョイス。これは冒頭の漢臭いリフからアウトロまで拳突き上げ不可避のブチあがりキラーチューン。五稜郭で戦死した土方歳三の生き様を描いた曲であり、命を懸けて戦いに挑む覚悟で暗闇を切り裂く。そんな想いを聴くたびに受け取っては血が滾るのである。



3、LACCO TOWER/柘榴

群馬出身の5人組。スタンダードなバンドサウンドにピアノを加えた楽曲が武器であり、小説のような詞もロマンチックで彼ら独自の世界を築き上げてる。曲名も殆どが漢字表記であり、日本語での表現を大切にしている。キャッチーかつ美しい旋律と時折見せる激情と優しさを併せ持つボーカルワークが素晴らしい。タイアップもあるし、もっと知られていいバンドの一つ。



4、Dir en grey/蛍火

ヴィジュアル系のバンドには歌謡テイストな哀愁溢れる曲を作るバンドが多く、メロディのフックも相まってか耳に残りやすい。ディルのこの曲も暗めの電子音とバイオリンを使い、物悲しくおどろおどろしい湿り気を纏った日本のバンドならではの曲に仕上がっている。歌詞から受け取れるように神風特攻隊と死別が題材の悲しい曲だが、美しく儚い名曲。



5、eastern youth/夜明けの歌

ジャパニーズエモの代表イースタンユースの大名曲。個人的に「エモい」という言葉の先駆け的存在。暮らしの果てを描く身近な日本語詞と吉野さんの激情溢れる咆哮が胸を抉る。バックホーンもACIDMANも私の好きなバンド達はこぞって皆イースタンが好き。なので好きの好きを辿って出会ったバンド。今は閉店してしまった弘前Mag-Netというライブハウスで初めてイースタンを見た時、アンコールで鳴らされたのがこの「夜明けの歌」だった。そんな思い出も相まって聴くたび涙が出そうになり、力を貰える。


 以上、渾身の激情歌謡ロック5選。

 こういう類の曲は日本のバンドならではの強みだと思うし、国産バンドからしか得られない栄養素だ。もちろん洋楽も大好きだけれど、細胞レベルで実家のような安心感を覚えるのは紹介したような日本語のバンド達が多い(個人的には)。

 流行りの音でないことは分かっているし、一歩間違えればものすごくダサくなってしまうジャンルではあるけど、今だにこういう激情歌謡系のバンドを見つけるとキタキタキタァァ!!!と心がザワついてしまう。
 それもこれも全てバックホーンとコックローチが私のルーツとして刻まれているからかもしれないが。


 つい最近まで忙しく、体調を崩し、精神的にも絶不調だったコネチカールですが、心安らぐ激しい音楽のおかげでまたどうにか持ち直せそうです。

 皆さんも無理のないようご自愛ください。

 それでは。おやすみなさい。

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