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ドン底這い上がりレコメンド5選


 先日、Netflixで映画「ジョーカー」を観てドン底で陰鬱な気分になりつつも、この映画のことで頭がいっぱいになるぐらい喰らってしまった。これは公開時に観ておくべきだった。
 何故だろう。こういう悲劇的な作品に救われることもあるというか、精神状態が安定するというか、虚しさや悲しさが逆に心地良く思えてしまう時がある。

 しかし、作品を享受することで得られる感情と我々の生きる人生はやはり違う。
 大きな失敗をしたり、大事な局面で敗北を喫したり、何か悲しい出来事がきっかけで精神がドン底まで落ちてしまうことって、誰しもが往々にしてあると思う。そんな時どうやって精神を持ち直すのか。それは人それぞれだろうが、私の場合はいつも音楽に頼ってきた。もはや縋り付いてきたと言っていい。

 綺麗事じゃあない泥臭くとも心奮い立つ音楽を知っていると知らないとでは生き方がまるで変わってくる。きっと戦う人間の為にも音楽はある。

 今回はそんな心強い味方になり得る曲を5つ紹介したい。


1、さよならポエジー/その一閃

「時代よ僕を選んでくれないか」
 曲中で繰り返し歌われるこのフレーズ。静かに熱く、今に懸ける想いをシンプルに伝えようとする姿勢にグッとくる。激しい曲ではないけど、このままでいいのかと自己に問いかけるように、マインドを立て直せる一曲。
 さよならポエジーは派手さはないけれど、暮らしの中で聴いていたい素朴さと文学性の高さがあり、イースタンユースを思わせるから好きだ。


2、THE BACK HORN/赤眼の路上

 愛するバックホーンより這い上がる為の曲を一つ。彼等の楽曲にこの手の曲は数あれど、赤眼の路上には色んな局面で救われた。
 野生的でありながら知的。徐々に熱を帯びる曲調と、感情をぶち撒けるが如く、がなり倒す山田将司のボーカルで血が騒がずにはいられない。その場で命尽きても構わないといった類の覚悟をこの頃のバックホーンには感じる。
 胃が千切れそうな程の悔しさにまみれても、この曲のおかげで見失わずにその思いを昇華できた。

独り描くその輪を越えて
世界さえも喰い尽くしてやれ
蒼く燃える熱情だけが
道を照らしてゆく

赤眼の路上/THE BACK HORN


3、Pay money To my Pain/Weight of my pride

 言わずと知れた国内ラウドロックレジェンドPTPの名盤Remember the nameより。Kの痛みを伴うリリックと咆哮、ハードコア由来のヘヴィネスが心にくる。
 悲しみや苦しみを乗せた激しい音楽性でありながら、メランコリックなバラードも多数持ち合わせており、心揺り動かされる人は多かったのではないだろうか。
 今でも泣きながら拳を突き上げシンガロングしたくなるし、大事な場面や己に喝を入れたい時に聴いている大切な曲。


4、Architects/Learn To Live

 UKのメタルコアバンドArchitectsより一曲。来日公演にも行ったぐらい好きで、メタルコアという括りなら一番聴いているバンドかも。この曲はポストハードコア寄りでクリーンも多く、テクニカルなリフを交えた疾走感ある曲調だが、後半は緩急をつけ、溜めてラスサビで爆発する流れ。血が沸き立つようなパッションで溢れている。
 悲壮感漂うSam Carterのハイピッチなスクリームはいつでもハングリーな気持ちを忘れずにいさせてくれる。


5、吉井和哉/CALL ME

 イエモン吉井さんのYOSHII LOVINSON名義のソロ曲であり、これまた人生の一曲。そこはかとない虚しさや死にたさに駆られても、鎮痛剤のように静かに確実に効いてくる。深いドン底の世界を見た人間でなければ描けないであろうカタルシスがある。本人曰く、神様からCALL MEされる=死を表現したとのこと。
 疲れ果て、絶望を感じながら人混みの中で聴いたらもう誰でも主人公になれる。曇り空の日、ドライブしながら聴いてキマるのもいい。


 明るいテイストの曲が一つもない渾身のレコメンド5選となる訳だが、意識せずとも暗めの曲を沢山聴いては精神を持ち直してきたので、こういう曲達からしか得られない何かがあるのだろう。

 もし、この記事を読んでくれた皆さんにもドン底状態の時に聴いて心奮い立つ音楽があれば教えて頂けると嬉しいです。この手の音楽はいくらストックがあってもいいですから。


 それでは、おやすみなさい。


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