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METEORA


 暑い日が続きますね。サマーソニックの時期ということで今回は海外アーティストについて触れようと思います。

 私にとっての洋楽もしくはヘヴィな音楽の入り口だったモンスターバンドLINKIN PARKについて語ろうの会。

 思い返してみれば、海外アーティストを聴き始めた頃、私の周囲での流行は人によって大きくズレるということはあまりなかった気がする。
 洋楽聴きまーす、みたいな人達の大抵はOasis、Green Day、Red Hot Chili Peppers、NIRVANA、Nickelback、Sum41、Maroon5などを聴いていた印象で、今となっては大御所ばかり。

 大学生の頃、洋楽好きな友人に色々勧められるも、私は背伸びして聴いている節があり、正直しっくりきてないけど、コレ聴いてれば音楽分かってますみたいなファッション感覚のようなものが先行していた。
 それでもMy Chemical Romanceなんかは素直に良いと思った。ドラマチック且つシアトリカルに展開する曲調とゴシックなルックスや感情を剥き出しにするジェラルドのボーカルワークは結構好みだった。The Black Paradeは人生の名盤に数えてもいい。

 しかし、そのマイケミ以上に、友人からオススメされたバンドの中で断トツにパンチ力のあるバンドがあった。それがLINKIN PARKである。
 2ndアルバム「Meteora」から聴いたのだが、とにかく衝撃的だった。
 オーセンティックなメタルやハードロックとは異なるターンテーブルや電子音を搭載したヘヴィなサウンドにラップ、スクリーム、歌モノを織り込んだ特異な音楽性に「求めていたのはコレだ!」とピンと来た。
 ヘヴィかつキャッチー、それでいて少し暗く陰鬱な世界観がたまらなく私の感性にマッチした。後にラウドロックやメタルコア、スクリーモ、ポストハードコアなどの激しい音楽にもハマるのだが、この導入には確実にこのLINKIN PARKの存在が大きかったと思う。

 結構ベタな入りだが、今や22億回再生という彼等の代表曲でもあるNumb。冷たく悲しげな電子音と重く歪むバンドサウンド、内省的な歌詞、そして何よりチェスター・ベニントンの歌唱力や声量に度肝を抜かれた。あの痛みを伴うような感情を抉る叫びに心惹かれるのよね。ライブでも一切劣化しないロングシャウトをかましてるので控えめに言ってもバケモン。

1st「Hybrid Theory」と2nd「Meteora」は当然の如くプラチナディスクを獲得。歴史的にも破格のセールスを記録し、当時のロックシーンに大きなうねりをもたらした。
 実際、リンキン好きな人にどのアルバムが好きか訊ねると、高確率でこの二つのどちらかを回答する人が多い気がするし、私も聞かれたらMeteoraと答えるだろう。何せBreaking The Habitが大好き過ぎる。


 しかし、個人的にリンキンが進化を遂げるのはむしろ3rd以降のオルタナ路線になってからだと思う。
 激しさは抑え気味で歌モノの割合が増えてきたが、これまたインテリジェンス溢れるスケールの大きな世界観となり、New Divideなんかは映画トランスフォーマーの主題歌にもなった。
 1stや2ndが好きな人には物足りなさもあったようだが、結局3rd以降のどのアルバムを聴いてもリンキンパークでしか成し得ない音作りであり、無限の広がりを感じさせてくれた。
 リンキンと言えば、激しく重い曲に焦点が当てられがちだが、Shadow Of The DayLeave Out All The RestIridescentPowerlessなどエモーショナルで美しい曲も沢山あり、こちらサイドの楽曲も充分彼等の武器である。
 因みにメテオラを除けば、私のフェイバリットは5thのLiving Things。もしも野球選手だったら入場曲にVictimizedを選びたい(知らんがな)。

Living Things/LINKIN PARK
後期リンキンの集大成的名盤


 音楽繋がりで仲良くなった友人もリンキンが好きで、幕張メッセでの来日公演にも一緒に行く予定だった。7thアルバムONE MORE LIGHTリリース後のツアーでとても楽しみにしていたが、その数ヶ月前にVo.チェスターの訃報。
 幾度となく力を貰った憧れのボーカリストをこの先拝む事が出来ないという哀しみで膝から崩れ落ちた。
 余りのショックで、来日公演へ一緒に行く予定だった友人とその日の夜にリンキンのライブDVDを観ながら酒を飲んで語り明かしたことも今となっては懐かしい。

 語弊且つ言い過ぎかもしれないが、現行のニューコアやポストハードコアといった様々な要素を取り入れたラウドな音楽の行き着く先は、結局リンキンパークのような気もする。「リンキンっぽい」と言われてしまえばそれまでのように、彼等がいかにニューメタルの先駆けであったかを20年以上の時を経た今でも思い知る。

 多くのフォロワーを生み、ロックシーンに計り知れない影響を与え続けたLINKIN PARK。チェスターの死後、活動は止まってしまったが、その動向に注目しつつもリンキンが残してくれた最高の音楽をいつまでも楽しみ続けたい。

 今夜のおやすみソングはこれにします。

 本当に美しい曲。おやすみなさい。

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