ヤクワリ

「ねぇねぇ、じぶんのさぁ、ヤクワリって考えたことある?」

女が深夜に唐突と、真面目なことを言い出した。

ヤクワリ?役割…

「言われたんだよねぇ。
昔から行ってるタバコ屋のおっちゃんにね、
昔から街の男の背骨抜き漁ってる私の姿見て。

『男を本物の男にさせてやる。
お前の役割はきっと、そこだ。』

ってさぁ。まだピーンと来ないんだけどねぇ〜」

「ナニソレ〜私そんなのなの〜?って言ったらさ、
『そういう役割も、いるんじゃねぇか?』って。
あのとき、まだ17歳でさぁ。
よく、わかんなかったんだけど。
な〜んか、今 沁みるわぁ〜」

女は斜め上を見つめながら
指をポンポンほっぺに当てて

それっぽいことを言っていた。

(↑まぁこれは私の話)

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