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逃亡者さくら

大事件だった。

早朝、母親がなんとさくらを逃がしてしまったのである。窓を開けっぱなしにするという凡ミスで。

まずい。さくらはこの家にもまだ完全に慣れたわけじゃない。帰巣本能が働いてくれるとは限らないのだ。ぴろしきのように、呼べば近づいてくるなんて芸当も期待できない。

関係各所に連絡を取り、近所のスーパーやコンビニにビラを貼らせてもらい、捕獲作戦が始まる。

結果からいうなら、ツイッターなどで呼びかけたこともあって、なんと近隣のフォロワーさんたちも協力してくれて、逃亡から1週間ほどで捕獲に成功する。

ひとまずは良かった。

みなさまに感謝。

しかし、まだ終わらないのである。

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それから2ヶ月ほどして北海道にも夏がやってきたとき、ふたたびの逃亡。よりにもよって同じ窓から!

またまた母親の不注意というか「暑かったから窓を開けた」という謎の理由だ。エアコンを使おうよ! あるんだからさ!

ともあれ、さすがにもう他の方々に迷惑はかけられない。自力で捕まえようとわしは決心する。

まあこれも結果からいえば、10日ほどで捕獲に成功した。捕まえたとき、わしは血だらけになったけどな。

また病院送りになったけどな。

よかったよかった。

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だがしかし!

今年の春、3度目の逃亡事件が起きた!

またまたまた同じ窓から! 今度の母親の言い訳は「出ちゃダメだよって言ってたの」。OK。あんだすたんど。この窓封印するわ。

2度の逃亡と捕獲を経験したわしは、今回も腰を据えて捕獲作戦を実行した。

前回逃亡したときに購入した捕獲器を仕掛け、近所のボス猫たちにも依頼し(これは本当に効果がある)、包囲の鉄環を狭めていくように、さくらを家に近づけていった。

ちなみに捕獲器の戦果は、のべ5匹の猫を捕まえて、最後の1匹がさくらであった。15日に及ぶ捕獲作戦の終了である。

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とにかく、母親には口でいくら注意喚起しても意味がないということが判った。1階の窓は物理的に封印。4センチ以上は開けられないように細工を施した。さらに扉という扉には開放厳禁の張り紙。あとは身体にマイクロチップを埋め込む手術だな。

ここまですれば、もう大丈夫だと思うんだが、どうかな。

もう、本当に勘弁してくれよー

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