我が家の猫たち ②
うづまきが逝ってしまったあと、わしもご多分に漏れずペットロスになった。
もう2度と猫は飼わないだろう、というくらいに悲しかった。のだが、出会ってしまったのである。
ぴろしきと。
函館のペットショップだった。
しかし、お金を出して命を買うという行為に、わしは漠然としたためらいを持っていた。
けど、惚れちゃったもんは仕方がないよね。
家に迎えることになった。後で知ったのだが、ぴろしきの値段は相場の3分の1くらいだったのである。
難があったわけではない。純血のスコティッシュフォールドで血統書付き。折れ耳の子ほど高くはないものの、それでもたっかい猫なのだ。
なぜか、わしが買うときだけものすごく安かったという不思議が起こったのである。
運命だね!
残念ながら子猫だったころの写真はないんじゃよなぁ。
ぴろしきというのは美人だ。はじめて動物病院に行ったときも、医師がしみじみと「美人だなぁ」と呟いたくらいなのである。
そして、頭も良い。
引き戸は自分で開けちゃうし、自分の名前を認識していて、呼べば近づいてくる。
なんだそんなことかって思うかもしれないけど、猫は犬みたいに従順じゃないから、かなりすごいことなのだ。
あと気品ね。
貴族さまみたい、なんて言われたこともあるんじゃよ。
ちなみにこの首輪は、小説家の卯堂成隆先生が手作りしてくれたのだ。
この本の作者さんじゃな。
そして、この首輪のことは、ぴろしきもたいそう気に入っていて、他の首輪を付けるときみたい嫌がったりしないのじゃ。
高貴な顔立ちに、立派な首輪。
まさに我が家のお姫さまじゃな。
ひめ! はしたないですぞ!
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