宣伝隊のさくら隊員
自著を宣伝するのに、ねこをつかったらいいんじゃね? ねこは人気あるし、というステキにして腹黒いアイデアを思いついたわしは、さっそく宣伝隊を結成することにした。
隊長はもちろん、先住猫のぴろしきである。
うん。かわいい。これはきっと、わしの本『異世界再建計画』(講談社レジェンドノベルス)も売れるに違いない。
よし。隊員のさくらもかわいい。
良い感じに宣伝できてると思う。これはあれじゃね? わしの本だけでなく、仲の良い作家さんの本を宣伝したら、もっと仲良くなれるんじゃね? サイン本の交換とかもできるんじゃね?
と、欲望を剥き出しにしたわしは、宣伝隊の活動を広げていくことになる。
これは、コウ先生の『ファンタジーをほとんど知らない女子高生による異世界転移生活』
これは、松田詩依先生の『霧原骨董店』
これは、卯堂成隆先生の『お花畑の魔王様』
これは、鷹樹烏介先生の『グール』
これは、田井ノエル先生の『大阪マダム、後宮妃になる!』
これは、田丸久深先生の『カフェ・オリエンタル』
という感じで、けっこう良い感じに宣伝活動が続いていた。
しかし、わしの本が発売されて2ヶ月ほどが経過したとき、最初の事件が起こる。すなわち、さくら逃亡事件である。