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【グラジオラスの花束 〜君と僕と洗濯物〜「向井純葉」】9話
「礼央ー!!!おっはよー!!!」
「な...なに.....」
「おはよう礼央」
「.....純葉か」
「おはようは?」
「おはよう.....今何時?」
「7時だよ」
「.....早いよ.....今日10時でしょ?」
「ちょっと早く行って璃花さんのお手伝いしようよ」
「あぁ.....行こっか.....純葉起こして」
「いーよ、ういしょっ...わっ!」
礼央を起き上がらせようと腕を引っ張ると、力が足りず礼央の方に倒れ込む。
「ごめん純葉、力加減ミスった」
「びっ.....くりした!!」
「ちょっ.....笑 耳元で大きい声出さないで.....笑」
「もう!!!早く離して!!!」
礼央の両腕は純葉のおしり付近にあった。
「え!ご、ごめん.....」
「礼央の変態.....!」
「はぁ!?いや違うって」
「もう!早く起きて!ばか!!」
礼央の顔が見れず、急いでリビングへ。
「もう最悪.....」
そこへ着替えた礼央がやってくる。
「純葉、行こ」
「遅い変態」
「不可抗力でしょ」
「.....その」
「ん?」
「その...さ.....」
「うん?」
「どう...だった.....?」
「.....はぁ!?」
「っ!!なんでもない!!!」
待って待って何言ってんだろ純葉!!!?
やばやばやば!!
思わず礼央を殴ってしまう。
「えぇ!!?なんで殴られたの!?」
「うるさい!!」
玄関に行き、靴を履いていると礼央の服にタグがついてることに気がつく。
「ねぇ礼央タグついてるよ.....笑」
「え?嘘?取って」
「.....はい取れたよ」
「ありがとう」
「行くよ、ポンコツ変態くん」
「うわぁ.....ひどい名前」
「早くして?置いてくよ?」
「待ってよ純葉!」
「待ちませ〜ん!」
2人はカフェ「マーメイド」へ向かった。
「電気ついてるけど鍵かかってるな.....」
「また研究してて寝落ちしたのかなぁ」
「合鍵貰ってるから入ろう」
「いいの?」
「うん、いいよって言われてるから」
鍵を開けて璃花を探す2人。
「あ、居た」
そこには机に突っ伏して寝る璃花さんが居た。
「またこの人は.....」
「礼央見て.....」
「ん?」
「これ海の家で出す料理じゃない?」
「ほんとだ.....ギリギリまで味の調整してたんだ.....」
「璃花さん偉いね.....」
思わず頭を撫でてしまう。
「.....お母さん.....お父さん」
「璃花さん?」
「.....寝言だ笑」
「え〜可愛いんだけど.....笑」
「一旦、僕らで分かるものは片付けよっか」
「うんそうしよう!」
2人でキッチンに入る。
「ここらへんはたぶん困るよね?」
「かもね」
「純葉食器洗おっかな〜」
「じゃあ僕、食材の期限見とくね」
「は〜い」
暫く2人で作業していたのに礼央の姿が見えなくなったので、探していると璃花さんが寝てる部屋に礼央が居るのを発見する。
「礼央.....?」
礼央は璃花さんの頭を撫でていた。
「頑張りすぎですよ.....璃花さん.....」
あ.....だめかも純葉.....。
少しだけ見える礼央の横顔が今まで見たことない表情をしていてどこか複雑だった。
「礼央.....くん.....」
「.....呼びましたか?」
璃花さんはびっくりして布団に包まる。
だめだ.....いつもの純葉で居なきゃ.....。
「おはようございます」
「あ、璃花さんおっはよ〜!」
「礼央くん.....いとちゃん.....」
「ごめんなさいびっくりさせちゃって」
「どうして.....?」
「璃花さんの事だからまた1人で準備すると思って早めに来ました」
「そっか.....優しいね」
「ただのお節介です」
「純葉が提案したんだよ!!」
「ありがとね、いとちゃん」
「えへへ.....笑」
「一旦、持ってく調理器具を新聞紙で包んだりして大丈夫ですか?」
「うん!ありがとう!顔洗ったらすぐ行くね!」
璃花さんはキッチンを後にした。
でも勇気が出ず、礼央に聞けない.....。
「純葉、食器まだ残ってた」
「.....」
「純葉聞いてる?」
「え!あ、ごめん」
「寝ぼけてるんじゃない?笑」
「違うよ!笑」
食器を洗い終わり、調理道具を片付ける礼央を見ていた。
「.....礼」
「お待たせ〜.....ごめんねすっぴんで.....」
「え!うそ!気づかなかった!!」
「別に可愛いですよ、璃花さん」
「か、かわ.....」
礼央.....😠
.....でもメイク大事だしな.....よし!
「一旦、調理器具は終わりました」
「ありがとね〜じゃあ次は調味料関係だね〜.....」
2人に混ざって作業を始めた璃花にこそこそ話しかける。
「璃花さん」
「なぁに?」
「純葉、頑張るからメイクしておいで」
「え?」
「メイク大事じゃん?」
「ありがとう.....🥺」