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【グラジオラスの花束 〜制服の人魚〜「石森璃花」】11話
「璃花さんの事が好きです」
「えっ.....でも」
「好きになっちゃったんです」
「え、え、え、待って待って」
「待てません」
「れ、礼央くん!!」
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「呼びましたか?」
...........えぇ!!?
思わず布団で自分の身を隠す。
「おはようございます」
「あ、璃花さんおっはよ〜!」
「礼央くん.....いとちゃん.....」
「ごめんなさいびっくりさせちゃって」
「どうして.....?」
「璃花さんの事だからまた1人で準備すると思って早めに来ました」
時計見ると集合時間の10時より早い8時だった。
「そっか.....優しいね」
「ただのお節介です」
「純葉が提案したんだよ!!」
「ありがとね、いとちゃん」
「えへへ.....笑」
「一旦、持ってく調理器具を新聞紙で包んだりして大丈夫ですか?」
「うん!ありがとう!顔洗ったらすぐ行くね!」
昨日、結局夜遅くまで料理研究してた.....
.....ってか、すっぴん礼央くんに見られちゃったじゃん!!!!
洗面所のシンクに手をついて落ち込む。
「恥ずかしい.....」
顔を洗い、隈が付いてないか確認してメイク...いやもう諦めるか.....。
2人が作業してるキッチンへ向かう。
「お待たせ〜...ごめんねすっぴんで.....」
「え!うそ!気づかなかった!!」
「別に可愛いですよ、璃花さん」
「か、かわ.....」
「一旦、調理器具は終わりました」
「ありがとね〜じゃあ次は調味料関係だね〜.....」
2人に混ざって作業を始めた璃花に純葉がこそこそ話しかける。
「璃花さん」
「なぁに?」
「純葉、頑張るからメイクしておいで」
「え?」
「メイク大事じゃん?」
「ありがとう.....🥺」
純葉の機転により、璃花はメイクが終わりその間に作業もほとんど終わっていた。
「いとちゃん、ありがとね」
「あ!今日も可愛い!」
「いとちゃんは良い子だねぇ笑」
「璃花さん、あと食材系なんですけどどうします?」
「食材は現地調達出来るから、調味料だけ新品の物を持っていこっか」
「ここにあるやつですか?」
「うん!」
荷物を車に乗せて、準備が終わる。
「よし!2人とも車乗って行こっか!」
「はい!」「はい」
「しゅっぱーつ!」
車の中は賑やかに流行りの曲が流れていた。
「来るよ来るよ!」
「.....笑」
「せーのっ!」
『ま!さ!つ!』
「笑笑」
「璃花さん分かってる〜!笑笑」
「そんなにはしゃいでたら着く前に疲れちゃうよ?笑」
「純葉の元気は無限だから大丈夫です!」
「この前、口癖『疲れた』だった日は忘れたんですか〜?」
「礼央!しー!🤫」
「今日も今日とて仲が良いね〜🤭」
『そんなことない!』
「笑笑」
賑やかなまま、海の近くのログハウスに着いた璃花たち。
「着いた〜!!」
「ここに泊まるんですか?」
「そうだよ〜」
車から降りて一番に見えたのは大きなログハウス、
「めっちゃ雰囲気いい.....」
「礼央〜!見て〜!海だ〜!!!」
そして空が反射して碧色に輝く海だった。
「綺麗だね〜」
「ですね〜」
「写真とか撮ってもいいですか!!」
「撮ったら荷物運ぶの手伝うんだよ〜」
「は〜い!礼央〜!一緒に撮ろ〜!」
「いいよ〜」
2人が海に目を輝かせてる間に美羽ちゃんに連絡する。
[もしもし美羽ちゃん?]
[お疲れ様です]
[おつかれ〜、みんな今どこら辺?]
[今、もうそこまで来てるんですけど渋滞に捕まってます]
[あぁさっきの....笑]
[何か伝えます?]
[うん、亮さんたちに『先にログハウス開けときますね〜』って伝えといて!]
[はぁい]
[じゃあ気をつけて来てくださいって伝えといて]
[はぁい]
電話を切ってログハウスの鍵を開け、車から荷物を下ろしていく。
「璃花さん、手伝います」
「ありがと!」
「純葉も〜!」
「ありがとね〜」
「一旦僕らのそれぞれの荷物は玄関入ってすぐに置いときますね〜」
「うん、ありがとね〜!」
「礼央〜エアコンのスイッチどこ〜?」
「知らないよ!笑」