【グラジオラスの花束 〜無念〜「松田里奈編」】2話
「ちゃろ先輩!新刊届いたんですけど、どこ置きます?」
気持ちを切り替え.....られてはないけど、お金は稼がなきゃいけない。
「裏に置い...ねぇ〜笑 また『ちゃろ先輩』って呼んどるやん.....笑 早くない?いじり出すの笑」
「違いますよ!佐藤さんがそう呼べって!笑」
「ほら言っただろ?里奈、喜ぶって笑」
「ねぇ〜湊音、幸村さんに要らん事言わんでよ笑」
「笑笑 いらっしゃいませ〜!」
陽ちゃんが接客をしてくれるので湊音と会話を続ける。
「.....なぁ里奈、ライブの件聞いたよ」
「あー...やっぱりそっちにも伝わってたんだ.....」
「流石にね.....どうすんの?」
「ん〜...もう諦める時期なのかも.....」
「らしくないな.....こっちは今、メンバー間で亀裂入ってて空気最悪」
「そうなんだ.....」
「なんかギターとドラムが関係持ちやがってさ.....」
「最悪じゃん.....笑」
「この後もほんとはスタジオだったんだけど無くなってさ.....」
「そっか.....」
「なぁ久しぶりに飲みに行く?」
「ごめん、今月厳しくて.....」
「大丈夫。俺、今月は余裕あるから奢るよ」
「.....ありがとう」
「今日あと1時間だよな?」
「うん」
「じゃあスタバに居るっちゃ」
「.....あ!許さん😠」
「笑笑」
バイト終わり、湊音の元へ向かう。
「おつかれ〜」
「おつか〜れ、じゃあ行くか」
「いつもの居酒屋?」
「うん。そういえばさっき連絡したら唯衣ちゃんだったわ」
「え!嬉しい!久しぶりに会うかもしらん」
「ね!最近飲みにこんかったもんな」
「うん」
「曲作り滞ってる系?」
「滞ってる系.....笑 YouTubeの再生回数も上がらずです.....」
「うちもそんなに変わんないよ」
「せめて湊音のとこだけでも売れたらいいなぁ.....」
「どうかなぁ.....」
「売れたら関係者席で呼んでね?笑」
「しょうがないなぁ笑」
「いらっしゃいませ〜! あ!湊音さん里奈さん!」
「唯衣ちゃ〜ん!!元気だった?」
「はい!里奈さんも元気そうで良かったです!」
「うぇ〜い」
「席1番奥のカウンターでもいいですか?」
「うん!大丈夫!忙しそうだね.....笑」
「ちょっとね笑 ドリンクいつものでいいですか?」
「大丈夫!湊音もいいよね?」
「うん、よろ〜」
「好きなの頼んでもいい?」
「もちろん🙂」
「じゃあ卵焼きと〜ポテサラと〜.....」
「和牛とかいっちゃおうぜ」
「え!?いいの?」
「うん、今日はちゃんと持ってきてるから」
「え〜嬉しい.....🥺」
「まぁ俺なりのお疲れ会だから」
「.....ありがとう」
「しんみりするの早えよ笑」
いつもの様にお互いの身の回りで起きることを肴に飲み進める。
「湊音まだ食べれる?」
「うん、枝豆で」
「すみませ〜ん」
「は〜い!」
「枝豆ときゅうりの浅漬けで!」
「ドリンク大丈夫ですか?」
「あじゃあ俺、梅酒ロックで」
「私も!以上です!」
「はーい、すぐお持ちしますね!」
「で、これからどうすんの?」
「ライブ会場は探すけど.....まず新曲作らなきゃって感じかなぁ.....」
「だよな〜.....うちと里奈のとこバンドの種類違うから力になれないからな.....」
「そんなことないよ!十分助けて貰ってるよ」
「そういえば櫻彗の文化祭行くんだって?」
「うん.....最後だし行ってみようかなって」
「.....里奈に合う奴だといいな」
「そもそも一緒にやってくれるかも分からんから笑」
「だよなぁ.....」
「湊音さん里奈さんラストオーダーどうします?」
「里奈デザート2つ食べなよ」
「いいの?」
「もうお腹いっぱいだから。ウーロン茶もらえる?」
「はい!」
「じゃあプリンとバニラアイスにしようかな」
「あ、じゃあ一緒に乗せます?」
「唯衣ちゃん天才!」
「じゃあすぐ持ってきますね〜!」